部品設定がないとは一体・・・?
というビックリ修理のお話を。車両はL710Vのダイハツミラです。定期点検でお預かりに行ったときのこと。
お客さんは
「特に悪いところはないんだけど、パワーウインドウがたまに効かないから見ておいて」
というご用命をお伝えしていただきました。オーナー立会いのもと、パワーウインドウを操作して
診断すると、スイッチがカチッといわず、内部がヘロヘロになってしまっている。
それに伴い、接点不良が起こっている。分解して直せるようなら直してみますが、完治するには
スイッチを交換しないといけない旨をつたえ、それならスイッチを交換してくださいとありがたいお言葉をいただきました。一応スイッチを外して確認すると、やはり中の爪が割れている。
接点だけ起こして使っていても、スイッチをニュートラルの位置に持っていくのが困難で最悪、モーターを気づかずに上げっぱなしで焼きつかせる可能性もあったので交換ということで部品の納期と値段の見積もりを取りました。
大体部品の注文は、国産車であれば車体番号、形式指定番号、類別区分番号、年式これだけを伝えれば注文が可能。レアな部品になるとフル型式が必要になりますが、大体は前述の4つだけを部品商に伝えれば注文ができます。が、部品商からの答えは
「部品設定がない」
という摩訶不思議な返答でした。ええ?そんな馬鹿な!もう一度良く調べてみてよと、車体番号などからもう一度探してもらっても部品設定がない。ダイハツのミラの3ドアのバン用のスイッチでなら
他の品番で検索することは可能ですが、はまるかどうかの保証はないといったお言葉。
オーマイガー。因みに値段は14200円もする。値段はオーナーに了解を取ったものの、
カプラーの形状がちがってたら困るなぁと思いつつも部品を取ったら、何とか同じもの。
では何故設定がなかったのかというと、なんとこのオーナーの方、手動ウインドウをパワーウインドウに自分で付け替えていたのであります。いやはやそりゃ部品設定がないのも頷ける。
一応気になって、内張りをはがしてみたら、明らかに人の手によって削られている内張り。
まさにビックリ仰天でした。
でも、使っているスイッチが合致してきちんと機能したので問題はなかったんですが、まさかこんなこともあるんだなと思いました。お客さんもそれについて何も触れてくれなかったから余計ビックリ。
というわけで部品設定がない?というお話でした。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。