日産セドリック エンジン不調。V6なのに3気筒しか動かないトラブル

日産セドリックです。
VG20エンジンを搭載する平成三年式モデル。
型式は忘れてしまったけど
こいつが曲者でした。

c-log703-01
セドリック

原動機はVG20エンジンです。

何が曲者だったかというと、
エンジンが不調でした。

いわゆる片肺という症状。
V6の6気筒のうちどれかの気筒が作動していない。

最初は簡単だろうと思っていた。でも、ちょっと泥沼になってしまった。
最終的にはMHO的にもっと壊してしまったという曰くつきのもの(汗)

片肺なので、とりあえずはプラグを全て点検することにしたんです。

電極がかなり摩耗していたので交換しました。
交換後、エンジンをかけてみるとまだ不調。

そしてレーシング(空ぶかし)をした後に、もう一度プラグを外してみると
1番シリンダーのプラグが全く焼けていないことが分かりました。

プラグコードを外して、プラグコードの先端にプラグをつけて
セルを回すと、火花は飛んでいる様子。
これはおかしい。

c-log703-02
VG20

この時点では1番シリンダーが機能してないため、エンジンが片肺だったのです。
一応プラグコードを入れ替えてみた。

1番と3番のプラグコードを入れ替えた。
これで1番シリンダーのプラグが焼けていれば問題はプラグコードになる。

だけど結果は同じ。1番シリンダーのプラグはまったく焼けてこない。
もしかしてプラグが不良品なんじゃないのかと思って、在庫のもう一つの新品のプラグに付け替えてみたけど同じ。
問題はプラグでもナシ。

ここで次はインジェクターの点検に入る。
長尺ドライバーに耳を当てると、若干カチカチ音がするインジェクター。
でもちょっと不審に思い、サウンドスコープに切り替えて音を聞いてみると
他のシリンダーに比べて明らかに音が違う1番シリンダーのインジェクター。
というか、動いていない。

この時点で原因は1番シリンダーに燃料が噴射されていないことが分かった。
あとはインジェクターが原因なのか、それとも配線なのかを点検に入ります。

そこで、

c-log703-03
インジェクターのカプラーを抜いて、電源を確認すると

プラス電源が2極カプラーの両方に14Vほど電源が来ていた。

ふと見ると、カプラーのコネクターから配線がむき出しになってぶかぶかに
なっていることに気づきました。

この時点で恐らくインジェクターの配線に問題があったといえると思います。

カプラーを修理しようと電工ペンチに手をやったら
カプラーからむき出しの配線がいとも簡単に外れてしまった。

それがインテークマニホールドにショートしてしまった。

ばちばちばち

これが機に泥沼にはまってしまった。

急いでカプラーを修理して、クランキングすると全然初爆しないエンジン。
まったく火が飛ばなくなってしまった。

ショートしたときに、どこかのヒューズが飛んでしまったんだろうと、
ヒューズボックスを開けると、

c-log703-04

c-log703-05

赤い丸のヒューズが飛んでいた。

このヒューズは何をしているかというと、どうも調べたところスターター信号を送っているようなそんなヒューズ。
こいつが飛んでいるとエンジンに火が入らないけれど、エンジンが回っている間に
抜いたとしても問題はない。エンジンを始動させるときに必要らしい。

このヒューズ25Aを入れ替えて、再度エンジンをかけた。
そこでとうとうモンスター症状が現れた(汗)

VGエンジンの運転席側バンクがまったく機能していない
3気筒エンジンになってしまったのだ!!

原因を調べていくと、なんと1番3番5番と運転席側バンクのインジェクターが全て作動してない。
コイツは一体・・・・

配線図を入手して、回路を調べていくとこのエンジンは

それぞれのインジェクターはECUでアースを落としている。

さっきショートしたときに他のヒューズも飛んだのか?
車の全てのヒューズを点検したけれど、どれも飛んでいない。配線図に答えは書いてある。でもそれを認めたくない。

しかし、意を決してECUを取り外した

c-log703-06
VGエンジンのECU。

MHOは勇敢な整備士なので、パンドラの箱なんぞ関係ナシに
がんがん分解

c-log703-07
ECUさんこんにちは。

c-log703-08
!!!

セドリック エンジン不調
ぶっ壊れている電子部品。

この電子部品が一体何をしている物体なのか分からないけど

この電子部品から3つの電極が延びている。
そしてとなりに同じ電子部品。当然こちらにも3つの電極が延びている。

つまり片バンクずつ制御する部品。

c-log703-10
まさに原因はコイツ。ECU。

インジェクターを作動させるためにプラス電源の入り口からインジェクターを通過して

ECUへプラスが流れて、ECUでアースを落とす。

テスターで調べると、正常なインジェクターのほうは当然電球がついたり消えたりついたり消えたりの
繰り返しをしていた。

壊れているほうのバンクは電球がつきっぱなしになっていた。

この日産セドリックのVGエンジンは、インジェクター配線がショートすると
ECUがぶっ壊れてしまうらしい。

それとも25Aのヒューズが飛んでもう一発ショートしたのかもしれない。

と、いうわけでインジェクター配線をショートさせるとECUが壊れてしまう。
そういう事実がはっきりした。

当然これは不可抗力ではあるが、ショートさせた原因はMHO。
解体屋さんから同型の確実に正常なECUを譲ってもらい

保障修理となりました。

いやー勉強になったな。今日は。

エンジン始動の3要素は良い圧縮、良い火花、良い混合気です。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする