3代目となった新型のシエンタ。この車、調べていくとハイブリッドながら、ある程度の作業はDIYでこなせる許容力を持っていることがわかりました。
今回はブレーキフルードの交換を調べてみたのでお伝えします。
昔は、ハイブリッド車って専用診断機がないとブレーキフルードの交換が厳しかったり、いろんな裏技を駆使して交換するといった手法でした。
この3代目のシエンタも、簡単なのは専用診断機を使ってのブレーキフルード交換。
しかし、手動モードで診断機がなくてもブレーキフルードの交換が可能になっています。
ハイブリッドカーの殆どがブレーキを電子的に制御しています。診断機を使用せずにブレーキフルードを交換するには、まずはこのブレーキ制御禁止モードへ移行してから行います。
注意点がいいくつかあります。
ブレーキ制御禁止モードへ移行すると、ブレーキウォーニングランプが点滅します。作業中は、ブレーキウォーニングランプの点滅を確認しながら行う事。
そして途中で
・シフトポジションをP以外にする
・REDEAY ONにする
・パーキングブレーキを解除する
・IGをOFFにする
・車速を0km/h以外にする
これらが起きるとブレーキ制御禁止モードが解除されてしまいます。すると、ダイアグコードが入力されることがあります。ブレーキフルード取替が終了するまでブレーキ制御禁止モードを解除しないように注意してください。
それでは早速作業開始。まずはブレーキ制御禁止モードへ移行します。・パーキングブレーキがかかってることを確認し、シフトポジションPでIG ONにする。・シフトポジションをNで、ブレーキペダルの踏む・離すを5秒以内に8回以上行う。・シフトポジションPで、ブレーキペダルの踏む・離すを5秒以内に8回以上行う。・シフトポジションNで、ブレーキペダルの踏む・離すを5秒以内に8回以上行う。・シフトポジションPにする。
この操作を1分以内に行います。
成功したらブレーキウォーニングランプの黄色が点滅します。
サイドブレーキを引いたときのあのビックリマークの黄色バージョンです。
ブレーキウォーニングランプの点滅が開始したら、ブレーキ制御禁止モードに入っているので作業に移ります。
くれぐれも前述した制御モードを止める動作をしないこと。
カウルトップの一部を外して、ブレーキリザーブタンクのキャップを開けます。
ブレーキフルードの量に気をつけながらフロント右からフルードを入れ替えます。
ブレーキブリーダをゆるめて、ブレーキペダルを1秒間隔程度で数回踏み、新しいブレーキフルードが出てくるまでブレーキフルード抜き取りを行います。
もちろんリザーバータンクのフルードがMIN以下にならないように注意。
ある程度入れ替わったら、ブレーキペダルを1秒間隔程度で数回踏み込み、ペダルを踏み込んだまま、ブリーダプラグをゆるめます。
ブリーダーからフルードが出なくなったらブリーダーを規定8.3 N・m (85 kgf・cm)トルクで締めてペダルをリリース。ピストンをきちんと戻す為、ペダルは1秒以上リリースる事。
この辺の動作は通常のエア抜きと同じ感覚です。なんどか繰り返してエアを完全に抜きます。
これでフロント右は終わり。フロント左も同じようにします。
リザーバータンクの量に気をつけながら行ってください。
続いてリヤ。
リヤのフルード交換は、ブレーキペダルを踏み込んだ状態でブリーダプラグをゆるめます。、ブレーキペダルを保持した状態でポンプモータおよびソレノイド駆動中にブレーキフルードを抜き取ります。
リザーバタンクの量だけは注意しながら行ってください。
抜き取り終了時、ブリーダプラグを締め付け、ブレーキペダルをリリースします。これを何度か繰り返します。ブリーダーの締め付けトルクはフロントと同じです。
片側終わったらもう片方も行います。
フルードのリザーバータンクの量を調整。
IG OFFにして、ブレーキ制御禁止モードを終了、漏れ確認をしてタイヤをつければ終わりです。
ハイブリッドだとは言え、手動でも作業が出来るのはありがたいですね。ただし気をつけながらやらないと、ダイアグコードを拾ったりしますので。
シエンタハイブリッドのブレーキフルード交換方法でした。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。