三菱自動車の燃費不正問題で、補償内容が具体的になってきました。
今回の件で、整備業界の現場にいる人間としての感想をちょっと書いてみたいと思います。
まず、三菱の燃費不正問題で現場に届く声はどんなものか?
僕が勤めている自動車整備工場でも該当の車種を何台が販売した経緯があります。担当セールスマンがそれぞれ事情を説明して謝罪に訪問するようにしました。
担当の三菱セールスマンはそれこそ申し訳なさそうな顔で当社にきます。
一番に考えないといけないことは、この該当の車種を買っていただいたお客様の気持ちですね。特に、EKワゴンに始まり日産DAYZもそうなんですが、スタイリングと性能を気に入って買っていただいた方たち。
そういたユーザーは性能に裏切られたと憤りを覚えているわけです。実際に
「こんな車買うんじゃなかった!」
と言われて帰ってくる営業マンもいましたから。それほど重大な不正であったということ。これはまず真摯に受け止めないといけない。
目次
三菱の燃費不正=三菱ディーラーではない
ここが現場側の人間からの意見になります。
三菱自動車の燃費不正=三菱ディーラーではないということ。ただ、お客様は三菱ディーラー、日産ディーラーから該当の車種を買っていくわけで、怒りの矛先はディーラーに向かう。
知り合いの三菱ディーラーマンに話を聞くと、車の販売どころではなくなってしまったとのこと。それこそお客様との信頼回復に誠心誠意勤めることに毎日全力を尽くしている。
と言っていました。
三菱ディーラーは自信を持って自社の車を販売していたわけであって、彼らもまた被害者であるということ。三菱ディーラーからいうとメーカーに裏切られてしまった感じが大きいでしょう。
三菱ディーラーは一生懸命頑張っていますので、どうかオーナーの方々は信じて待っていて下さいと思います。
近年の燃費問題について
そして近年の燃費問題について。
僕が10年ちょっと前に買った車は、カタログ燃費がリッター13kmでした。ですが実燃費を毎回計測しましたが、リッター7kmでした。
そもそもがカタログ燃費っていうのは実燃費とはかけ離れているわけです。10・15モードからJC08モードに燃費測定が変わって、少しだけ実燃費に近づいた!
と当時は言われていました。
ですが、低燃費全盛時代で、ユーザー目線で燃費を購入のものさしにする時代。JC08モード燃費に移行しても、従来の10・15モードでは実はこんなに低燃費なんですよー。
昔の車と比較してみてくださいー。といった、燃費の数字だけを誇張して表示している自動車業界。この責任は国土交通省含め全体の責任です。
JC08モードも撤廃するべきで、もっと実燃費に近いカタログ燃費測定をしないと意味がないでしょうね。
だってリッター30km走る車を買った!でも実燃費はリッター15kmだった。これって落胆ぶりは半端じゃないですよ?
昔は僕も信じてましたからね。初代フィットが出たときなんか車でリッター20km越え?嘘だろ!?って。当時僕はRX-7に乗っていて、実燃費なんかリッター4km台でした。単純にカタログ燃費をユーザーって信じている人は少なくないわけですから。
この辺りが変な話ですよね。カタログ燃費なんかあてにしちゃダメですよ。カー雑誌などの実燃費データを考慮して実燃費のいい車を買うほうがいいです。
それにしてもいろんな問題がでてくるけれど、どれもこれも氷山の一角なんだろうな。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。
コメント
まさにおっしゃる通りだと思います、カタログデータ通りの燃費がでたクルマなど見たことありません。ハイブリだハイブリだ、とさわいでリッターあたり30km以上走ります! などとうたっている某お大手メーカー様。ふたを開けてみたら、実燃費20km/L 走らないなんてことざらなのですが、そういうのって問題にならないのでしょうかね? 誰がどんなふうに乗っても近い値が出るのであれば信用できますが、今のままでは目安にもならないような気がします。
定地燃費でかまわない。
10・15やJC08といった測定法が,実際の走行を模したものであっても,走り方は人によって違いますから,カタログ燃費に一致することは稀ですね。
以前は定地燃費がカタログに載っていました。勿論実走行とはかけ離れています。しかし実用的にはその半分低緯度という認識が浸透していて,カタログ燃費は参考になりました。
AGSアルトは,JC08で29Km/Lですが,田舎道をダラダラ走ると35位,街中で20位です。そこから想像するに,定地燃費は50近くいくのではないかと思います。
現在単車は,定地燃費とWMTCモード燃費が掲載されています。セロー250の例ですが,定地燃費40とカタログに載っています。実際ダラダラ走行では40~43位走ります。ワインディングを回転を上げて走っても35位。カタログの定地燃費は二人乗り測定ですが,かなり正確です。
実用燃費に近い値にしようとしていろいろなテスト方法が使われてきましたが,むしろそれがややこしい結果となっています。私は,乗車定員いっぱい乗っての定地燃費掲載が分かり易くて良いと思います。
定地燃費を向上させるために減速比を小さくし,低回転で走行できるようにするメーカーがありますが,経験上60程度の速度では,減速比を小さくしても,それ程燃費に貢献しません。
また速度60だけではなく,速度120の定地燃費も欲しいと思います。高速で燃費が悪化しすぎる車が多いように思います。
燃費は走行距離を使用燃料で除して求めますが,どうも速度計や距離計の甘い車,単車が多いような気がします。これらの誤差を局限する必要を感じます。
買った車が実燃費との差が激しかったら落ち込みますよね・・
言われてみれば僕もゼファーに乗っていた頃、カタログ燃費に近かったような遠い記憶があります。
全てを正確にしようとすると色んな問題が山積みですね。
そうですね、素人の立場からしてももうちょっと実燃費に相関する燃費測定方法にしてほしいです。
できれば、実際の走行でそうであるように、複数の走行状況での燃費を表示する仕組みだとありがたいです。JC08モードに加え、高速道路を想定したモードや混雑道を想定したモードなど、複数の燃費を併記する仕組みが良いかと思っています。燃費は1つよりも、複数表示する仕組みの方が良いはず。
開発陣がカタログ燃費を追求することは仕方のないこと。1つのみではなく、様々な状況での燃費を追求することで、よりよい車ができるのではないでしょうか。今の制度だと、仮に実燃費と相関しなくても、どうしてもJC08モードでの燃費向上が至上命題になってしまいます。
最近の車はカタログ燃費の数字は良いけれど、車体本体や消耗品の交換費用が高く付き、結果として財布の負担が大きくなっている気がしています。
裁判員制度ではないけれど、燃費を計測するときに国民から無作為に何人か選んで同時に走らせて平均とればいいのでは?
紹介おくれて申し訳ありません、千葉のGTO乗りのJean-lucと申します。
GTO GIFU のおしゃべり広場 でもいろいろと書き込みさせていただいたりさせてもらっています。
プロの方の貴重なアドバイス、僕らには宝物です!古いクルマを維持していこうとしています、いろいろとアドバイスいただければとてもうれしいです!
もっとユーザー目線で計測してもらいたいですよね
まさに実燃費計測になりますね!
GTOは貴重な車なので大事にしてください