ワゴンRです。ドアミラーをスイッチで格納しようとしたらガガガ音がして動かない。
それ以降、電源をONにすると同時にガガガ音が鳴ってうるさくてしょうがないという依頼です。
症状が出ているのは運転席側です。
これがなかなか不快です。原因はドアミラーを格納するモーターのギヤ部が欠けているから。
実は、この故障はメーカーから保証延長が出ています。
新車登録時から10年、10万キロまで。
保証は全てのスズキ車で対象になるのかというとそうではありません。車種と車体番号で区切られています。
このMH34Sは、年式と距離では保証範囲に入っていたものの、車体番号のロットでは対象外というなんとも後味悪い状態でした。
ここからここまでの車体番号が不良だからっていうのは、メーカーとしてはわかるけどその条件に漏れている車でも実際に不具合が出ますからね。オーナーとしてはたまったもんではない。
という事で、この不快な音をキャンセルします。
ここでいう電動格納ミラーのキャンセルっていうのは、応急処置です。
車体の設定云々ではなくて、ドアミラーの配線をぶった切るという古典的な方法になります。
おそらく同じ症状で悩んでいる人も居ると思うので、そのやり方を紹介しておきます。
まずは、ドアミラーの配線を切るためにドアの内張をはがします。ネジが2本とクリップだけだったと思います。
インナーハンドルのネジとドアの取っ手の底にあるネジですね。
あとクリップは左上の一か所です。
ドアの内張をはがすとこの状態です。カプラーがドアミラーに向かってついています。
このカプラーの配線を切ってしまうと、車体側のハーネスを切ることになるのでNG。
ドアミラー側の配線を切ることで、車体側配線はそのままに動作をキャンセルさせることができます。
カプラーを外します。ドアミラー側の配線カプラーはちょこっとしか頭がでていませんが、手前へ引き出すことが可能になっています。
分かりやすくするために、今回はドアミラー自体を外しています。
サーキットテスタで当たっていくとドアミラー側の赤い配線がミラー開閉モーターへつながる電源となっていました。これをカットします。
この赤い配線を切ることで、ドアミラーの格納だけキャンセルさせることができます。
もちろんこの配線はプラス配線になるので、絶縁処理をしておく事。ボディーアースしたらショートしてしまいますから。
重ねて言いますけど、ドアミラーは外さなくても作業は可能です。
変な配線を切ってしまうと、違うものに影響が出るので間違えないようにしてください。
あくまでMH34SのワゴンRでの話になります。
今回のワゴンR、保証対象から車体番号のロッドが100番程度ズレていただけだったので、これも結局不良品じゃないのかって声を大にして言いたい!オーナーがかわいそう。
ちなみにまだ5万キロですから。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。