MHO「そういえば、指定工場と認証工場って区分け、知ってるかい?」
A君「いえ、その辺はまったくわかりません。」
MHO「うちの工場は指定工場なんだよ。認証工場と指定工場の違いっていうのは、簡単に言うと車検の完成検査ができるかできないかってところになるね。」
A君「え?検査って陸運局で受けるもんじゃないんですか?」
MHO「あ君が勤めていたガソリンスタンドは、車検の整備なんかもしていたの?」
A君「はい。整備士の資格を持っている人がいて、その人がやってました。整備をして陸運局で検査受けてましたけど。」
MHO「自社で検査ができないということは、認証工場だったということだね。車の整備には分解作業という項目があるんだけど、例えばブレーキを分解して修理する時は認証工場か指定工場でしか行っちゃいけないんだ。」
A君「そうなんですか?」
MHO「自分の車をいじるとかそういうのはいいんだけどね。お金をもらって分解整備業をするためには設備を整えて、きちんと陸運局の許可をもらわないとダメ。」
A君「なるほど。それで指定工場は検査もしていいんですね。」
MHO「そう。指定工場には自動車検査員がいて、陸運局と同じ完成検査を行うんだ。そして、検査に合格したら保安基準適合証に検査に合格した旨の証明をする。その書類と車検証などを持って陸運局に行くだけでいいんだ。すると新しい車検証を交付してもらえる。」
A君「車検証がなくても車を走らせていいんですか?」
MHO「保安基準適合標章を交付して車に貼り付けておけば、検査をした日から15日は普通に車を乗ってられるんだよ。その15日の間に新しい車検証を交付してもらって、車に載せれば大丈夫。だから指定工場っていうのは、ある程度まとめて書類を作って陸運局に登録を代行するわけさ。」
A君「便利ですね。だったらみんな指定工場にすればいいのに・・」
MHO「そうだね。ただ、整備工場を指定工場に申請するには認証工場以上の設備、組織や整備士などを備えなければならないんだ。完成検査を行う検査ラインも必要になるし、認証工場以上の設備投資が必要になるからね。そう簡単には指定工場を経営することは難しい。」
A君「そうなんですね〜。勉強になります。」
MHO「さ、午後の仕事を全てこなして納車に行く準備をしよう!」
A君「はい!」
整備工場には認証工場と指定工場があります。
認証工場では分解整備はできても完成検査をすることができません。なので車検整備を行う場合、完成検査は陸運局に車を持ち込んで検査しないといけないのです。
指定工場では自動車検査員が陸運局に代わって完成検査を代行することができるのです。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。