最近いろんなディーラーやら車屋さんで推進されている
「メンテナンスパックメニュー」
これは一体どういうものか?
メンテナンスパックというのは、車両を販売時などに買ってもらう前払いのメンテナンスパックです。
一例を挙げてみると
軽自動車を新車で購入。そのときに、メンテナンスパックも購入する。
メンテナンスパックは7万円程度かかるとします。この7万円はどういった内容なのか?この辺りは各自動車会社やディーラーに変わってくると思います。
自家用乗用車であれば、新車1ヶ月点検と新車6ヶ月点検は無料で行ってもらえます。
それ以降の点検と一部消耗品を前払いで買ってもらうのがメンテナンスパックです。
新車購入 (メンテナンスパック7万円支払い・加入)
↓
新車1ヶ月点検(無料)
↓
新車6ヶ月点検(無料)
↓
法定12ヶ月点検(メンテナンスパック前払いのため無料)
オイル交換
オイルフィルター交換
ワイパーブレードゴム交換
↓
法定24ヶ月点検(メンテナンスパック前払いのため無料)
オイル交換
オイルフィルター交換
ワイパーブレードゴム交換
↓
車検(メンテナンスパック前払いのため、諸費用を除く基本整備代無料)
オイル交換
オイルフィルター交換
ブレーキフルード交換
ワイパーブレードゴム交換
こんな感じのが多いですね。会社によっては法定点検と法定点検の間に独自の6ヶ月区分の点検を設定しているところもあります。
新車購入から車検までの整備代近を前払いで払ってもらうことで、ユーザーには割安感を与えているわけです。
ユーザー側のメリットとしては、実際7万円を支払うことで10万円以上のサービスを受けることができるということ。
整備工場側のメリットとしては、必ず法定点検を受けてもらうことができる。車検までの基本料金を前払いしているので、車検整備を他社に取られる危険性がない。
お互いがウィンウィンの関係になれるのがメンテナンスパックというものです。これがここ数年でかなり増えてきました。管理ユーザーを囲い込むことによって、他へ流れるのを防ぐことができます。
僕もこのメンテナンスパックには賛成派です。うちの会社でも独自にメンテナンスパックのメニューを作って、新車購入時・中古車購入時などに一緒に購入してもらっています。普段なら定期点検をしてくれなかったユーザーも点検をやってくれるのです。
当然メンテナンスパックに加入しているからとはいえ、全てが無料になるわけではありません。走行距離が進んでいる車であれば、ブレーキパッドが減っていることもあるでしょう。そういった追加の整備代金はユーザー負担になります。
点検に入庫してくる車両に対して、いかに付加価値の商材を売り込めるかがポイントになってくるのです。例えばボディーコーティングをやってもらう。
エンジンオイル添加剤などを入れてもらう。エアコンフィルターを交換してもらうなどなど。普段以上にいろいろな提案をユーザーに問いかけることができます。
メンテナンスパックの内容に満足してくれた人であれば、継続して購入してくれる人もたくさんいます。
この他にオイルキープ会員など、オイル交換一つにしてもパックにするのが今の流行りです。オイルキープ会員などは、便利な面も持っています。
最初にオイルを20リットルキープなどで購入してもらい、それをユーザーのタイミングでいつでも交換ができるように設定しています。
当然価格を安く提供できるということが1つ。もう一つは前払いでオイルを買ってもらっているので、作業が終わった後にわざわざお金を支払ってもらわなくていい。
現金の流れがないので、とてもスムーズな作業になります。
今ユーザーを新規獲得するのはかなり難しい時代になってきています。車を販売した時にいかに囲い込めるか?ここにどこの整備工場も重きを置いて販売をしかけてきているのです。
これから先クラウンのコネクテッドカーにはじまり、ユーザーと整備工場がより密接にリンクしていくことになります。車両の整備情報を双方向でやりとりして、どの程度でどういった部品交換が必要になるかをユーザーに事前に通知。
ユーザーが画面上で希望の日程を設定するとどこのディーラーでもすぐに受け入れてくれる。こういう時代になっていくのは間違いありません。
ますます町工場の存在というのはディーラーと差がつけられてしまう。ここから先10年は車も大変革を迎えていくことになるでしょうね。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。