まずはこちらをご覧ください。
現在トヨタの主流になっているハイブリッドのエンジンM15A-FXEです。
そしてこちら。
M15A-FKS。
エンジン型式は同じM15Aとなっています。上のエンジンがハイブリッド用。下のエンジンがガソリン車用のエンジンです。
同じエンジンなのに何が違うのか?
モーター走行ができるハイブリッドカーと、常にエンジンから駆動力を伝達しないといけない純ガソリン車では、エンジンの使い方も違ってきます。
例えば、ハイブリッドカーの場合、低速トルクはあまり必要ない。正確に書くと、モーターが低速トルクを補ってくれるから、それをエンジンに求めなくていいんです。
ハイブリッドの場合は低速高負荷領域を使わなくても、モーターアシストで十分な加速フィールを得られるので、インテークバルブの閉じるタイミングを遅らせミラーサイクル化することが可能になります。
すると、ポンピングロスが低減され低負荷運転時の熱効率が高まります。
ちなみに以下ウィキペディアからスペックを引用してみました。
M15A-FXE
M15A-FKS
Wikipediaより引用
排気量やボア、ストロークは同じですが出力特性とトルクが違います。そしてハイブリッド用のFXEは圧縮比が秘密とされています。
と、ここまで書くとハイブリッド用のエンジンの方が凄いんだろうな!と思いますよね?
ですが、実際はガソリン車のFKSのほうがいろいろと凝ってるんです。
まず、3気筒エンジンなので振動が従来の4気筒と比べると大きいわけで、バランサーシャフトをエンジンに組み込んでいます。
ちなみにハイブリッド用FXEにはバランサーが付いてないようです。
そして、ガソリン車用FKSは直噴化されています。
ガソリン車用FKS。
ハイブリッド用FXE。
ハイブリッドのエンジンルームの方が、ゴチャゴチャといろいろなものが詰まってるように見えます。
これはインバーターやらモーターやら、ハイブリッド特有の部品が装着されているからですね。
エンジンとしてはガソリン車の方が、凝った作りになっているのです。やはりエンジンで勝負しないといけないわけですから。
ハイブリッドって、高性能なエンジンでなくても制御方法が普通のガソリン車と違って、不要なところを補えるので、かえってシンプルにできるという点も見逃せないですね。
エンジンの一番おいしい領域を使うように制御されているのです。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。