冬では耐えられないトラブルですよね。
今回工場に入ってきた車両は
このランサーが具合悪いんですよ。
エンジンを切ろうとして、キーをオフにしてもエンジンが止まらないで
ランオン
を起こしたりしています。
ランオンというのはRUN ONで、キーをオフにしてもエンジンが止まらない状態。
アイドリングが高いとか、燃焼室にカーボンがたまって、ディーゼリング(自然発火)を起こしたりすること
キーをオフにしてもエンジン止まらないんだよ。あせるよ。普通に。この手のランサーは多いんだよね。
キャブ車の奴ね。
ま、それはさておき、この車もヒーターが利かないということで入庫してきました。
まずは症状を確認すると、確かにぜんぜん利いてこない。こりゃ駄目だ。
エンジンが冷えている状態で、ラジエターキャップを開け、LLCが十分に入っているかチェック。
一応少し回してエア抜きもしておきました。
次にサーモスタットを疑いましたが、この車の水温計はちゃんと真ん中まで
動いているので、これも正常と判断
次に車を暖気して、水温を上げてヒーターホースを触ってみました
ヒーターホースまでは温水はきていました。圧もかかっていて正常です。
次に点検したのは室内
ヒーターにはヒーターホースからヒーターコアへ水を通過させる
ヒーターバルブが付いているのが普通です。
要するにエアコンをCOOLからHOTにするあれね。HOTにすることで、
ヒーターコアに温水が流れるようになるはずです。
手動のレバー方式のヒーター切り替えは、レバーにロッドが介してあって
レバー自信でヒーターバルブを開ける仕組みになっています。
しかしこのようにオートエアコンシステムは、このようにコントロールパネルがあり、
そこからアクチュエーターへと指示をだして、アクチュエーターにロッドを動かさせて
ヒーターバルブを開いているはず。
と、思いいろいろ操作してみました。
どうですか?アクチュエーターが動いて微妙にロッドの位置が変わっているのがわかりますね?
このアクチュエーターは風向を切り替えています。
アクチュエーターが動いているということは、デジタルコントロールパネルは正常と
とりあえずは判断しました。
車のエアコンは
風向切り替え
温度切り替え
内外切り替え
風力切り替え
この4つのモードがありますね?
このうち上の写真のアクチュエーターは風向を切り替えていました。
次に内外切り替えのアクチュエーターの動きもチェック
そして風力切り替え。これはヒーターモーターがアクチュエーターになっております。
最後に温度切り替えのアクチュエーターを動かして、動作確認すると
BINGOです!
このアクチュエーターがヒーターバルブを動かすアクチュエーターでした。
ヒーターコントロールモーター 4900円也
この手のトラブルはアクチュエーターにつながるロッドを外してやって、
手で強引にロッドを動かすとどうなるかを試します。
アクチュエーターが動いていなくて、手でロッドを動かして、問題が解決するようなら
アクチュエーターが壊れている証拠。
しかしこのランサーは、写真のヒーターコントロールモーターにつながるロッドを
手で動かしてやったけど、ヒーターはききませんでした。
でもこのパーツを変えたら直ったんだよね。
どうやらこの中に入っているモーターが何かのスイッチになっているということでしょう。
まぁなんにせよ直ってよかったね。
ヒーターのトラブルはこうやって解決していけば怖くないぜ。
ちょっと追記しておくと、
クーラントがはいっていないとなぜヒーターが利かないか?
これは整備士になるまで疑問でした。だって、冷却水はエンジンを冷やすんだから、
これがないほうがより
あっちっちぃな風が出てきそうなイメージでしょ?
でも違うのですよ。クーラントがないと、ヒーターコアまであっちっちぃが届かないため
ヒーターが利かないんですよ。要するにヒーターコアをあったかくする媒体がないと
話にならないというわけですね。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。