希望ナンバーというもので、自分でナンバープレートの数字を設定することができます。1とか7とか777とか明らかに人気が高い数字の羅列は抽選になります。
オリンピックイヤーだったはずの今年も2020という希望ナンバーは抽選になりました。
この希望ナンバーを使って、こだわっている人は家の車全て同じ数字にする人がいます。
これって、車屋さんにとって実は間違えが起こりやすい原因につながります。
その理由を今日は書いてみます。自動車整備工場の内側を紹介!
自動車整備工場って、今は顧客管理のすべてをパソコンで行っているところが8割以上です。ものすごく個人的な経営をされているところは、アナログかもしれません。
でも、ほとんどの整備工場はパソコンのソフトを使って業務にあたっています。
僕も最初に勤めていた整備工場がつぶれて、違う工場に移りましたがどちらの工場もパソコンを使って業務をしています。
パソコンを使って何ができるのかというと、
・顧客データの管理
・DMの発送
・部品の在庫管理
・代車の管理
・見積書や納品書、指示書などの作成
・車検や定期点検リストの製作
・完成検査の保適発行とe自賠発行、OSSによる陸事とのやりとり
ざっと書いてみるだけでこの位。細かいことを書けばもっとたくさんいろんなことができます。棚卸なんかも全部できる。
お客さんとのやりとりで、最初に車両情報を検索しないといけません。例えばDMを発送したとして、車検の予約電話が入った場合。
どの車両の事なのかを検索するためにお客さんにあることを聞きます。
それがナンバーの数字。4桁の大きい数字を言ってもらえれば、そこからそのナンバーの車だけ抽出してきます。
お客さんの名前と車が一致したものを呼び出して、車検の満了日などを確認したうえで予定を決めていく。
お客さんとのやり取りで車屋さんが知りたいのは車両のナンバーなんです。ナンバープレートの数字ですべてが始まりますから。
では、お客さんの家に同じナンバーの車が何台もあったらどうでしょう?
語呂合わせで自分の苗字や誕生日、記念日などを希望ナンバーで取ってる人は、家中の車を同じ数字に合わせてる人がいます。
ナンバーを言ってもらった時点で1台だけに絞れるか?というとそうでもないので二手間かかる。
お客さんとの予定が決まった後、実際に入庫してからの作業も間違えが発生しやすいです。
例えばその家の車が全て同じナンバーだって知ってるならいいんです。僕は手痛い失敗を経験したので、疑ってかかりますけど。
単純に事務仕事の職員などは、車検証のナンバーを元に車両を呼びだして指示書を発行したりします。
でも、たまに間違えて出すことがあるんでよ。
例えば小林さんというお客さんで、ナンバーが5884。5884の車が3台所有しているとします。
タント、スイフト、ハイエース。
車検の予約はスイフトで、引き上げてきたのに伝票はハイエースの車両で発行してしまっているとか。
盲点なのは4桁のナンバーで1台しかないだろうって勘違いしちゃうところですね。ちょっと慣れてきた車屋さんの事務員さんが陥りそうなミスです。
僕ら自動車検査員は検査項目に同一性の確認があります。入庫してる車両と車検証情報、伝票情報のすべてが合致していないと、車検の検査としてNGです。
なので必ず同一性確認を取りますが、実際に現場に出ていない職員などは間違えやすい。
電話に対応するのは事務職員が多いので、同じナンバーの車が何台もあると間違えやすいですよね。
そしてさらにわけわからなくなるのが自動車税の納税証明。お客さんの会社で同じナンバーの軽自動車が10台ある会社があります。
納税証明書を探すのが大変。
長野483い5884
長野483え5884
長野483こ5884
長野483す5884
違いは平仮名だけっていうのがあるんです。探すのが大変。
仕事の配達で使ってる軽トラック。
同じ車両を10台持ってる会社。しかも全部同じナンバー。
この前壁にこすりつけてドアミラーをすっ飛ばしてしまった!ドアミラーなんか出張でも交換が可能だから、取り合えず部品を先行で注文してほしいというオーダー。
ここでナンバーを聞くんです。
するとすべて5884(あくまで例えです。架空の設定でお願いします。)
こちらからすると5884で検索すると10台同じ車種が並んできます。
しかも年式と車体番号や型式、類別番号が微妙に違う。違う車のフレームナンバーで部品をオーダーすると、うまくつかないことがあるなど。
すべて同じナンバーにすると、こういった不具合が生じてきます。この前まさにこのケースがあったんですけど、先方に確認したら2~3年落ちのやつだっていうんで、そのあたりの車のデータで注文をかけましたよ。
一応自己責任でって言っておきましたけど。
と、まあ同じナンバープレートに統一すると車屋さんの内部事情でこういった混乱が生じたりします。お気を付けください。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。