車の故障修理には「完治」と言い切れる故障修理と「経過観察」と伝える必要がある故障修理の2つが存在します。
今回は完治と経過観察について考えてみます。
目次
完治と言い切れる修理とは?
故障修理をしていて、「完治」と言い切れるのはどういう場合か?
わかりやすいのが異音修理です。ガタガタ音がするのを直して欲しいという依頼があったとします。
ガタガタする音の原因が、スタビライザーのリンクロッド部分であるゴムブッシュがちぎれてしまっていた。スタビリンクの金属部分とアームが接触していた。
スタビリンクを交換して、金属同士の干渉がなくり異音が止まった。
これは完治と言える修理です。
他にも例をあげるとすると、ブレーキを踏んだ時にごごごご音がするという場合。
分解してみるまでもなく、ブレーキパッドの残量が終わってブレーキローターをパッドの地金でこすりつけていた・・。
ブレーキパッドとブレーキローターを同時交換して修理は完治します。
こういった場合の修理も完治といえます。
医療とも似てる部分ですが、「故障現象」に対して「再発の可能性がないと判断」できるものが「完治」と言い切れる場合です。
経過観察が必要な故障
「完治」に対して「経過観察」が必要な故障修理はなにか?
これはある程度時間をかけてテストしないと、完治とは言い切れない故障です。代表的なのが、オイル漏れ修理。
オイル漏れの修理はすぐに症状が出て確認が取りにくい側面を持っています。オイルフィルターに穴が開いて、交換して治りました。というなら完治でいいんです。
エンジンに使われているシャフトのオイルシールなどから漏れている場合。オイルシールを交換してしばらくエンジンをかけたところではわからない。
実際にオイル漏れしたエンジンを修理した後、負荷を与えた実走行もするしアイドリングで1時間程度エンジンを回して経過観察もします。
ただこれだけで完治と言えるか?というと、わからない。
僕はオイル漏れ修理をした場合、修理後に漏れがないことを確認してお客さんに渡す時に
「1ヶ月後にまた見せてください。」
とお願いをしています。1ヶ月経過して、漏れてこなければ完治したといってもいいのかなと。
オイル漏れだけではなく、エンジン警告灯に関してもそう。よくあるO2センサの故障。センサを2つ使ってるタイプに多いのが特性不良で、またランプが点灯する場合。
フローチャートで追っていくと、最終的にはセンサ交換に至るけど経過観察が必要な場合。こういうのもあります。保証でディーラーにO2を交換してもらっても、経過観察してください。と言われることもあります。
残念なことに車の故障修理には、経過観察をしないといけないものが結構多いです。割合でいくと3割くらいはこちらに該当してくるかもしれない。
故障するには何かの原因が必ずあるんですが、その原因に対して適切な整備ができているのか?という点においては、人間が修理する以上経過観察を言わざるを得ないケースが多いのかなと。
故障修理の中には、「完治」と言い切れる故障と「経過観察」が必要な故障が存在します。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。