まずはこちらをご覧ください。
これはダイハツ車のサンバイザーに書いてあるメンテナンス事項です。
これを見ると気が付きます。
タイミングベルトは10万キロ毎の交換。これは一般的にも認知されていますね。タイミングベルトが切れたらエンジンが壊れてしまいます。
そして特筆すべきはその上の欄に書いてあること。
「タイミングチェーン点検 12ヶ月定期点検毎」
えっ?タイミングチェーンってベルトと違って金属だから交換は不要でしょう?何にもしなくていいんじゃないのって。
そもそもタイミングチェーンの点検って何するの?詳しく説明します。
車の定期点検を整備工場などに出している人なら、タイミングチェーンの点検もしてもらっているかと思います。
そもそもベルトと違って切れないはずのタイミングチェーン。点検って何をするの?
整備書の点検方法をざっくりとまとめてみます。
タイミングチェーンの点検は、主に伸びの状態を確認します。タイミングチェーンが伸びるとどうなるか?
ある程度の伸びならばチェーンテンショナが補正をかける為、わかりにくいんですが一定以上伸びてしまうと車検にも通らなくなるんです。
理由はエンジンチェックランプが点灯するから。
ダイハツ車の場合、タイミングチェーンが伸びるとエンジンチェックランプが点灯します。コードはP0016/62。
内容はバルブタイミング・チェーンです。
12ヶ月点検時にタイミングチェーンの点検をするというのは、ダイアグノーシスの点検になります。
OBD診断機をあてて、故障コードのP0016/62が入力されているかどうかを点検。もし、この故障コードが入ってなければ、チェーンは正常ということで点検は終わります。
そしてここからが重要ですが、タイミングベルトと違ってチェーンは切れることはほぼあり得ません。
チェーンは切れる前に伸びて、エンジンが不調になります。
何故かというと、バルブタイミングがズレるから。
タイミングベルトやチェーンが重要なのって、クランクシャフトとカムシャフト、すなわちバルブタイミングを合わせているからです。
エンジンが回転する動力を得るのはクランクシャフトの腰下。腰上のカムシャフトはベルトやチェーンでクランクとつないで回ります。
この時ピストンの上死点とバルブの開閉、スパークプラグの点火タイミングのすべてが合致しないと、エンジンが不調になってしまいます。
エンジンが不調なだけで車検に通らないの?と疑問に思うかもしれません。
今の車検では、エンジンチェックランプが点灯していると検査に通りません。車検の時だけチェックランプを消去できたとしても、タイミングチェーンが伸びていると排気ガスが基準値を超えて出ている可能性が高いです。
つまりエンジンチェックランプでも車検に通らないし、排気ガスでも車検に通らなくなるということ。
今使われているタイミングチェーンは、昔のチェーンに比べて騒音を抑えるサイレントチェーンを採用しています。
これが音が静かな割に伸びる特性を持っています。
某外車のように部品自体が不良なものもありますが、ベルトと違ってチェーンは伸びてきます。そして交換作業はタイミングベルトよりチェーンの方が面倒なんです。
12ヶ月点検を整備工場に出していない人などは、たまには整備工場でダイアグノーシスの故障コードが入力されいないかを点検してもらってください。
一過性の故障ならまだしも同じコードが又はいるようだと、本格的に故障が始まっている証拠です。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。