デビュー直後からいろいろな不具合を出してきたダイハツのKFエンジン。ピストンリングの固着でオイルが減ってしまったり、ウォーターポンプが不良で異音を出したり。
メーカーもエンジンのウォーターポンプ異音については保証延長を出しています。KFエンジンも今では熟成を重ねて、信頼性もあがり燃費など技術的にも向上されています。
しかし、今でも故障が出ているということで、再度メーカーが整備について情報をリリースしました。
ダイハツのKFエンジン。持病ともいわれるほどよく発生する
「ウォーターポンプの異音」
これはどのような音か?まず、初期段階としては、エンジンを切った瞬間
「キュー」
といった音がします。
この時点で気が付く人は少ないです。一度音が出始めると、かなりの確率でエンジンを切ったときにキューという音がするのが特徴です。
その後、ベアリング部が壊れてエンジンをかけるとガラガラという音を出すようになります。びっくりするのが、音が出ていても必ずしもウォーターポンプから水漏れを起こすかというと、そうでもありません。
水が漏れる前にプーリーごと飛んで行っちゃうのが最終的な末路かな?
以前ツィッターに挙げた動画です。
これがKFエンジンのウォーターポンプからの異音です。なかなかいい音しています。
順番としては
エンジン停止後キュー音→アイドリングでもガラガラ音→プーリー、ベアリングがもげてしまう→走行中ならオーバーヒートで完
こうなります。
ウォーターポンプがだめになるということはわかりました。
その原因は何かというと、ファンベルトのあります。KFエンジンはオルタネーターベルト、エアコンベルト、パワステベルト(電動除く)。の最大で3本つかっています。
ベルトを交換する時に張り調整をきちんと行わないと、ウォーターポンプのベアリングがだめになってしまう。
どのようにベルトを交換するか?これはメーカーで決められた張力で調整をするということにになります。ベルト交換って、整備士であっても「感」で張りを調整する人が多い。
その「感」で張ると、壊れちゃうことがある。実際に整備士がベルト交換をした後に、しばらくしてウォーターポンプから音が出た。というケースがよくあります。
こういったベルトテンションゲージで、指定された箇所を押してたわみ量を測定します。しかし、こんなゲージ狭いエンジンルームで入れられるのか?っていうと無理がある車種もたくさんあります。
その場合、音波式の張力計を使ってくださいと指示されていますが、高いです。専門業者でもなかったら元が取れない測定工具です。
もし、DIYでダイハツKFエンジンのファンベルトを交換する時はどうすればいいか?
経験則でいうのであれば、緩めに張ること。外す前のベルトの張り状態を覚えておいて、それよりも緩く張る。
おそらく途中でベルト鳴きが発生するかもしれませんが、ウォーターポンプを破損するよりはよっぽどましです。
KFエンジンのベルト調整は緩めにはる。これに限ります。
ダイハツが保証延長を出してます。それでもなくならないKFエンジンのウォーターポンプ異音。とうとう整備作業の留意点ということで、注意喚起を出してきました。
ダイハツKFエンジンはオルタネーターベルトの交換や張り調整は、慎重に行って下さい。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。