整備工場で勤めていると、お客さんから
「キーを閉じこんじゃったから助けて!」
という依頼を良く受けることがあります。僕も結構な数、出張で鍵を開けにいっている。
僕が覚えている限り今まで開けた車は、マツダのボンゴ、スズキの初期型ワゴンR、Kei、現行ワゴンRL910ムーブ、KS4サンバー、TT2サンバー。
どれもこれもすんなり開いてくれて助かった。これらには共通する事項があります。それはドアロックノブが
上下してロックをさせるタイプのものだということ。
大体ドアの隅に上下するタイプのドアロックノブがついている。こういうタイプのものはキーの閉じ込みを
しても救出が楽チンなのだ。なぜかというと、動きをシュミレーションしやすい。
ドアロックノブの下にはドアロックのアクチュエーターがついている。その2つはロッドでつながっているので
ロッドをめがけてツールを上下させる。そうすると簡単に開く。
これと対照的に難しいといえるのが、ドアのインナーハンドルにドアロックがついているタイプ。
上下に動かすのではなくて、左右に動かすドアロックタイプだ。トヨタ車に多い。
この場合は、ドアロックとドアロックアクチュエーターは横方向でロッドにより接続されている。
この横方向のロッドを捕まえるのはツールでは結構困難だ。
なのでドアロックを直接解除させる方向でツールを動かす方法も考えなければならない。横方向の
ドアロックについては難しいのだ。
キーの閉じ込みをしてしまうと、ステンレスの薄っぺらな棒を使ってガラスの隙間からドアの内張りに
アクセスする。この作業を強引に行うと、今度は変なロッドが外れて内側からドアロックがかからなかったり、
ドアのインナーハンドルが使えないなんて事態も起きてくる。
実際後輩が出張に行った後、室内からドアがあけられなくなったというクレームをもらったことがある。
一口にキーの閉じ込みといっても、救出には結構頭と技術を使っているのである
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。
コメント
陸送の仕事をしていた頃、引取に行った車がキーを閉じ込めていて
先輩格の整備士が解錠用の工具(変に曲がった板のやつ)で解錠した所、
中のロッドを外してしまい運転席からドアを開ける事は不能にしたので
現場に戻って貰って私がお手製の解錠ロッド(と言っても針金を焼入れして先を曲げた物)で
後ろのドアを開けて引きとった事が何回もあります。
新車でも原始的な方法で開ける事があります。
最近の車は本当にお手上げです(泣
技ですね!