日産のスカイラインに400Rというモデルがあるのをご存知でしょうか?
この400R。かなり強烈な車です。
搭載されるエンジンがV6のツインターボ。VR30DDTTというエンジンを搭載しています。そのパワーが強烈!最高出力が405馬力!最大トルクが475N・mです。
日産にはGT-Rというスーパースポーツカーが存在しますが、それに次ぐパワーユニットを搭載されています。
スカイライン史上最強と言われる強烈なスペックです。スカイラインGT-Rで最終型のBNR34型ですら、280馬力の最大トルク400N・mでした。
34GT-Rよりも数値だけで見ると上回ってるわけですね。駆動は2WDのFR。これは90年代のハイパワースポーツカーを乗り継いできた当時の若者(今のおじさん40代以降世代)のハートをガッツリゆすぶってくる車です。
このエンジン、潤滑しているオイルは何か調べてみたら日産の純正エンジンオイルでした。
日産純正SNストロングセーブXの0W-20。オイルの量は5.1リットル、フィルター同時交換で5.3リットルです。
ちなみに日産GT-RのエンジンオイルはMobile1の0W-40が採用されています。
このスカイライン400R。オイル交換の時期はメンテナンスノートに記載と書いてあります。メンテナンスノートがネット上で閲覧ができない為、HPで検索してみました。
日産のHPではエンジンオイルの点検・交換の目安を5000kmまたは6ヶ月ごとと書いてあります。
おそらくメンテナンスノートを見るともうちょっと長い交換時期が設定されてるかなと思いますが、これだけのハイパワーツインターボエンジン。他の車種と変わらないメンテナンスで問題がないということですね。
目次
実はエンジンオイルにとって軽自動車のほうが厳しい!
話を変わって、軽自動車に乗ったことってありますか?
軽自動車に乗ったことがある人は、軽自動車で山道や高速道路を走った経験はどうでしょう?街乗りで軽自動車を使うとあまり気が付かない問題点がわかります。
排気量が660ccで最高出力が64馬力の軽自動車って、高速道路などスピードレンジの高い走行には向いていません。
一度高速道路に乗ってみればわかりますが、いつもとは全く違うエンジン回転でずーっと走り続けないといけない。軽で高速に乗ると、エンジン回転が高すぎてうるさく、隣の人と会話をするのが難しいくらい。
特にミッションのギヤ比の関係で、常に高速回転で巡行をせざるを得ない軽自動車はすごいです。
僕も昔、軽自動車のNAエンジンのマニュアルに乗っていたことがあります。この車で、スキー場に行った時の事。勾配がすごい坂があったんですが、なんと2速では上がらないのです。1速まで落としてアクセルべた踏みでその区間を突破しないと駄目。
もちろん後続車に迷惑がかかるので、路肩があったら先に行ってもらいました。なんせスピードがでないし進まない。普段の街乗りでは気が付かない弱点というものが、わかった瞬間です。
スカイライン400Rを高速で走らせると、ものすごく気持ちよくクルージングができると思います。なぜならば排気量もパワーも申し分がないから。
時速100km巡行であれば、VR30DDTTの実力の7割も使わないで快適クルージングが可能です。軽自動車だと、エンジンの性能を100%以上で走らないとまともに高速クルージングができないです。
エンジンに対する負荷はどうか?これはもう言うまでもなく軽自動車のエンジンのほうが厳しい環境下にあるのがわかります。
軽のエンジンにターボがついていれば、エンジンに余裕が生まれます。しかし、ターボに対する負荷は、同じくスカイライン400Rのものに比べると段違いにかかっています。
高性能オイルが必要なのは、エンジンの負担が大きい時
エンジンにとって、オイルに助けてもらいたいシチュエーションっていうのは、普段以上に負荷がかけられてしまう時。
街乗りレベルだと、普通のオイルでも問題ないです。しかし高速道路をずーっと巡行しないといけない軽自動車などは、常用回転域が5000回転前後を行ったり来たり。ずーっとエンジンうなりっぱなしです。
初めて軽自動車に乗る人が、初めて高速道路に乗ると
「壊れるんじゃないか?」
と恐怖するようなシチュエーションです。実際に整備士の僕がそう感じてます。実際に知り合いの車が3000kmスパンでオイル交換をしていたのですが、ターボが壊れました。
オイル管理は悪くなかったはずなのに、高速や負荷がかかる走行を繰り返していたのかなと。
高級なエンジンオイルって、実は軽自動車にこそ必要なのではないかなと。高性能エンジンはもちろんそれに見合ったオイルが必要ですが、ドイツのアウトバーンとかサーキットランをしない限り、性能自体に余裕があります。
100%振り絞って巡行する660ccエンジンと、7割以下で余裕の3000ccでは、オイルに対する要求が違ってきます。軽自動車は油膜切れでも起きればすぐに故障につながるでしょう。
軽トラックや軽のバンで荷物を載せながら高速を巡行する車。この使い方が考えうるにエンジンに対する負荷が一番かかってくる使い方になってくるかなと。
オイルの量もそうですよね。スカイライン400Rは5.3リットル。これに対し軽自動車全般は3リットル弱です。
少ないオイルでずーっと負荷をかけられ続けるのだから、オイルにとって厳しいことがよくわかります。
軽自動車で高速道路に乗る機会があるのなら、その前にある程度高性能なエンジンオイルに交換しておくことをお勧めします。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。