格安車検と満足度というタイトルで本日はお話をしたいと思います。僕は過去に1度だけ格安車検を依頼したことがある。それは一人暮らしでアパートに住んでいた頃、乗っていた400ccのバイクゼファーXの車検がきたときだ。
これがボクにとって人生初めての車検となった。当時ボクはお金なんかないしバイト代で車検を通さないといけないということで、タウンページをめくっては安い車検を探していた。
タウンページで車検を探して、安いものに電話。これ以上の費用がかからないという確証を得てからオーダーした。
バイク屋さんは軽トラックで取りに来てくれたのを覚えている。
当時のボクは、自分でオイル交換をできるくらいだった。オイルフィルターの交換は自分では出来ない。
いわゆる何も知らないような人間だったのである。だけどお金がないので格安車検をオーダーした。
幸いガソリンスタンドでバイトをして先輩がバイクが好きでいろいろとおしえてもらえたのが良かった。
今考えるとちょっと怖いものがあった。
格安車検のなにが怖いかというと、知識が無い人がオーダーすることが怖い。ボクのような自分で自動車整備をする自動車整備士がただ検査を依頼するだけために依頼するのならいい。自分の愛車の状態は自分が一番よくわかっているからだ。
ただ、素人で何も知らない人がオーダーすると痛いしっぺ返しがまっている。
これは当然である。ブレーキパッドなんか残り1mmでも検査のときに効けばなんの問題もないからだ。
それを知らないまま走行して、事故をするかそれとも事故をする前に異変に気がつくかだ。
恐らく僕の場合は前者だっただろう。
格安車検を否定するつもりはない。僕も車屋さんを辞めたら間違いなく格安車検を使うだろう。検査が通ってしまえば何でもいい。あとはやばいところは自分で治すからだ。これが出来ないユーザーはきちんとした工場にもって行ったほうがいいということだ。逆を言うと格安車検って言うのは、玄人向けの車検なんだと思う。
こんなにオイルが漏れているのに検査に通さなきゃならないのかよ?なんて業者が思っているかもしれない。
しかし彼らはスチーム洗浄で出来る限りきれいにしてとおしてくるだろう。だけどそれをどう思うかだ。
自分で直せないのなら、格安車検はお勧めできないのが自動車整備士としての率直な感想である。
整備不良の車を整備しているときに点検ステッカーを見る。そこで大体目に付くのは格安車検を行っている業者のステッカーだ。
あーあ。やっぱり。と思った。でも業者は悪くない。一番は自動車というものを軽く考えている人間なのかもしれない。お金で済む問題ではないのである。
車というのはすぐに命に直結する乗り物だということを思い出してもらいたい。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。