オイルというのは本当に奥が深いです。最近、オイルデータハンドブックの最新版を買って、見ていると、いろいろと気が付く点があります。
今日は軽自動車のオイル量について。
軽自動車って平均でいうと3L前後のオイルを使っています。
軽自動車のエンジンって、メーカーでほぼ同じエンジンが載っています。
スズキならR06AとかR06D。
ダイハツはKF。
ホンダはS07AやS07B。
同じ型式のエンジンでも、載せる車によってオイルの量が違います。そこが興味深い。
ダイハツは今は一種類のエンジンなので、わかりやすいですが、ミラは2.6L。これをハイゼットカーゴに載せると3.2Lに変わったりします。
同じエンジンなのに、何故オイルの量が違うのか?
ハイゼットやアトレーにKFエンジンを載せる場合、運転席と助手席の下へ積み込みます。
エンジンをまっすぐ縦に載せると、座席下のスペースに収まらなくなります。
なので、エンジンを傾けてマウントしています。
それに伴って、オイルパンも斜め形状になっています。
ミラやタントなどはまっすぐに3気筒エンジンが載っています。
これならばオイルストレーナーもまっすぐに伸ばせるし、無理がありません。
ハイゼットやアトレーの場合だと、オイルパンも斜めになっている為、オイルもかたよりなどの心配があります。
もちろんオイルパンの中にバッフルプレートが入って、かたよりを防いでいますけど。
それらを統合すると、オイルの量を増やして安定的に供給できるようにしようとなるわけです。
ダイハツでいうと、ひとつ前のエンジンにEFというものがあります。
タイミングベルトを使っていたエンジン。このエンジンを載せたテリオスキッドという車がありました。
EFのターボエンジン。
凄いのがこの車、オイルの量が2.1L。フィルター同時交換で2.3Lなんです。
660ccのターボエンジンをたった2.1Lのオイルで循環させるって、どんなにオイルが過酷なんでしょうって。当時はSJ規格の5W-30です。
オイルって量が少ないほど大変だってわかりますよね。
例えば、同じエンジンでも3L入る車があって、4L入る車種もあるとします。
その差は1L。1L余計にオイルがあれば、オイルポンプから吸い上げられてクランクやコンロッド、シリンダーにカムなどを賄う時余裕ができますよね。
テリオスキッドなんかタービンまで潤滑して2.1Lですから。それはそれはオイルにとっては相当ヘビーな仕事だったと。
チューニングの世界では、大容量オイルパンへ交換する手法が常套手段とされています。
オイルの量を増やせれば、それだけエンジンを保護しやすくなるからです。油音の劣化なども抑えられます。
逆にいうと、排気量が小さくて、オイル量の少ないターボエンジンなんかって、最高にオイルにとって過酷だねということです。
テリオスキッドなんかその最たる例ですね。車中もそこそこあるだろうし。
オイル一つとってみても、いろいろ見えてきて奥が深くて楽しいです。
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ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
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