車の部品にはカーメーカーの純正部品とそれ以外の社外部品が存在します。純正部品より社外部品のほうが価格が安いです。
車検整備や点検、一般整備などで部品交換が必要になったとき、純正を使うのか?社外を使うのか?でお客さんと相談させてもらうことが多々あります。
価格が安いなら社外部品を使ったほうがいいじゃないか!と思いがちです。
しかし、純正部品を使ったほうがいい部分もあるので、事例と一緒にご紹介。
何回か痛い経験をしました。エンジンチェックランプ点灯原因のNO.1に挙げられるのがO2センサです。
O2センサの故障は大きく分けて2パターン。内部にヒーター回路を持ってるセンサはそのヒーター回路が断線してしまう場合。
この場合、物理的に回路が断線なのでとても分かりやすいセンサの故障です。問題なのがセンサ自体の特性異常のパターン。
O2センサが2つついてる車です。この場合正確にはAFセンサとO2センサに分かれています。わかりやすく書くと2つのセンサをコンピュータがモニタして、センサの数値が入り口と出口で大きくずれたときをカウントしています。
これが数トリップカウントされるとセンサの特性異常でチェックランプが点灯します。
ダイアグノーシスでは該当のセンサを表示してくれるのですが、ここに落とし穴があります。
社外のO2センサを使うと純正センサとの相性がイマイチで、しばらくするとまたO2センサ異常のコードが出ることがあります。
この現象にはまったとき、まさか新品で買えたセンサが駄目なんて思いもよらなかったのですが、どうも特性異常が出てるのでメーカーに送り返して診断させました。するとまさかの新品O2センサ異常が確認。
これ以降僕はO2センサは純正を使うようになりました。社外部品のほうが値段は安いです。でも信頼性や他のセンサとの同調を考えると純正じゃないとしっぺ返しを食らうことがあります。
社外でセンサ類がでている場合、費用は安く済みますがすぐに駄目になることが経験上あります。特にO2センサの場合、センサ特性異常が出たときは2つのセンサを使ってる車は両方純正同時交換がお勧めです。
次に純正部品を使ったほうがいい部位として、交換作業が難しい場所です。例えばタイミングベルト関係やクラッチ関係など。
以前一回だけこういうことがありました。確かレガシィだったと思いますが、中古車販売するためにタイミングベルト一式交換することになりました。
届いた部品を組み付けていくと、どうしてもタイミングベルトがうまくかからない・・・。このままかけると1コマズレるよなぁ・・。
まさかとは思ったんですけど純正のベルトをオーダーしなおしたらすんなりかかりました。タイミングベルトの寸法が違うなんていうことは、あまり考えにくいんですが過去に一度だけありました。
すぐに交換ができる場所だったらいいんですけど、重整備でようやくたどり着くような部位はやっぱり純正を使ったほうがいいです。
タイミングベルト関係やクラッチ関係などですね。
あとこんなこともありました。代車のEKワゴンのタイミングベルトを交換していて、ウォーターポンプも同時交換していました。定番コースです。EKワゴンのタイミングベルトを交換したことがある人はわかると思いますが、ウォーターポンプにオルタネーターのネジがドッキングするところがあるのです。
しかし、社外のウォーターポンプを取り付けて、いざオルタネーターを規定の場所で締め付けようとしても寸法が合わない。合わないっていうのはおかしいんです。オルタネーターってネジ2本でエンジンに固定されます。オルタネーターは、ネジ数本で固定されて動きようがありません。
つまり、社外ウォーターポンプの精度が悪くてオルタネーターとのネジ山が合わなかったんです。これにはあきれ果ててしまいました。ウォーターポンプはもう組付けちゃったので、しょうがない。オルタネーター側のネジ穴を若干広げて固定しました。
自社の代車じゃなかったらクレームでウォーターポンプを突っ返しているところです。重整備をする部分に関しては純正を使う。これが絶対おすすめです。
オイルシールとかも気を付けたほうがいいです。たまに寸法がおかしいよなぁ・・。っていうのがあります。
それでは純正よりも安い社外部品を使ってもいいところってどんなところ?これは、エアクリーナーやプラグ、エアコンフィルターやバッテリー。ファンベルト類なども社外でもいいかな。
あと信頼できる社外パーツメーカーであればブレーキパッドやローター、ブレーキシューなどもいいと思います。
基本的な消耗部品類は、お客さんが価格を求めるなら社外でいいと思います。
お勧めの社外部品メーカーはどういうところか?これは、半純正メーカーと呼ばれる社外メーカーです。
トヨタはドライブジョイ。日産はピットワーク。ホンダはHAMP。この3メーカーは絶対この社外部品がお勧めです。純正お墨付きの社外パーツです。信頼性もOK。
あとは有名どころを選べば間違いはないかなと。ブレーキだったらアケボノを使うとかファンベルトは三ツ星とか。
純粋にその部品を製造している専門社外メーカーですね。
前スズキの純正ファンベルトを注文したら、三ツ星パッケージの上にスズキのステッカーを貼ってあるだけの時代もありました。これ、中身は三ツ星じゃんって。それでいて純正のほうが高い。だったら最初から三ツ星を頼むよって。そんなこともありました。
スバルの純正プラグを注文して中身を開けたらNGKとか。そういうパターンもありましたね。
タイヤを安く買いたいのであれば、格安タイヤというセレクトもあります。でもちょっと有名でないところは避けたほうが無難です。
お勧めなのが、タイヤメーカーのショップで扱ってる海外製。ブリヂストンのタイヤ館ではファイヤストーンを扱ってます。BSが公認で売り出しているので、製品はちゃんとしているとタイヤメーカーのお墨付きなわけです。
こういうタイヤを選ぶと価格をおさえられます。
このように、純正部品と社外部品ってうまく使い分けるのがいいと思います。全部が全部純正で交換できれば最高ですけど。
ランニングコストを抑えるには社外も織り交ぜていくのがいい。
重要な部位や交換が大変な部位は純正を使う。よく出る消耗品は社外をつかう。うまく使い分けて整備代を抑えることができますので、使う部分はよーくチョイスしてください。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。