まずはこちらをご覧ください。
サイドシルの下を除くとパネルに切りかけがあります。
これは純正のジャッキアップポイントです。ここに純正のパンタグラフジャッキを設置して車を持ち上げてくださいと。
多くの自動車メーカーがこういうジャッキアップポイントを設定しています。
しかし、これ現場から言わせてもらうと非常に使いづらいです。
この車両のものはすでに少し曲がっているのがわかります。
大体複数のパネルをくっつけてあり、少しでもストライクゾーンを外そうものなら曲がってしまう。
車を大切にする人にとっては、ジャッキアップポイントが曲がるのって非常に気分が悪いものです。
僕は車をリフトアップする時はジャッキアップポイントは使いません。理由は曲がる可能性が高いからです。
リフトアップとジャッキアップではリフトアップの時の方が、純正のジャッキアップポイントを曲げやすい。
理由は何故か?
ジャッキを使う場合、一輪ずつ車を持ち上げます。
じわりじわりとジャッキを持ち上げて、ジャッキの溝にぴったりとあてがう事が出来ます。
これがリフトアップだとどうか?リフトアップの場合4輪全て同時に持ち上がります。
リフトの操作のレバー側は確認しながら車体にあてがう事が出来ますが、反対側は着座する瞬間確認が取れない。
いくらギリギリまでストライクゾーンに合わせていても、持ち上げてみたら少しずれて曲がってしまった。なんていう事が起こりえます。
なので、僕は車を持ち上げる時は極力ジャッキアップポイントは使いません。
これは、僕が新車のシエンタをリフトアップしている図です。
リフトのアームがサイドシルではなくて奥のボディパネルで持ち上げているのが分かります。
頑丈な奥のパネルを使って持ち上げる。ただし、シエンタの場合はリヤがちょうどいい場所がなかったので、やむを得ず純正ジャッキアップポイントを使いましたけど。
あとはクッションなどをかませて広い範囲でリフトアップする。これならば荷重が分散されるので曲がらないで済みます。
ジャッキアップポイントは頑丈にしてほしい
実家のNDロードスターなんか絶対にリフトアップしたくないから、未だかつて2柱リフトで上げた事がありません。
4柱リフトを使って、それぞれフロントメンバー・リヤメンバーにあてがって持ち上げて車検をしています。
気を使います。
車検や整備に出したらジャッキアップポイントが曲がって帰ってきた。そんな経験をしてる人もいるかもしれません。
曲げちゃった整備士も少なからずいると思います。
曲げちゃった整備士の弁明になるけれど、リフトアップの場合はジャッキアップと違って四輪同時に持ち上がるため、曲がるリスクが高くなります。
気を遣う整備士ならサイドシルでは持ち上げないように努力します。それでもいいポイントがなければ、純正ジャッキアップポイントでリフトアップするしかなくなります。
自動車メーカーに言いたいのは、もっと頑丈に作ってほしいということ。
出来ればホンダ形式がいいです。ホンダは厚い鉄板を溶接してあります。トヨタとか日産のジャッキアップポイントはよろしくないです。
ハイゼットトラックとか、ジャッキアップポイント知ってますか?フロントはなんとロアアームです。
ロアアームにジャッキをあてがって、ジャッキの棒を3本くらい繋げてキコキコ持ち上げるんです。こんなのプロでもパンクしたらジャッキをかけたくないよーって。
あれは危険すぎると思います。もうちょっと後のことを考えてほしいです。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。