エンジンのアイドリングがイマイチ不安定になる・・。
キャブの時代ならまだしも電子制御化された今の車で、アイドリング不調というのはいただけません。AT車ならほぼエンストだって起こさないので、たまにこういうトラブルが発生すると俄然心配になってきますよね。
エンジンのアイドリング不調の原因で多いのが、スロットルなど吸気ポートの詰まりです。必要な時に必要な空気を吸い込めないために、エンジンが止まってしまう。
これを改善するには、スロットルバルブの清掃などが効果的です。
スロットルバルブにはアイドリングの吸入空気を制御しているISCなどが取り付けられています。
スロットルの汚れを落とすことはいいことですが、やり方を間違えると思わぬしっぺ返しを受けてしまいます。
スロットルバルブなどに付着している汚れは、エンジンコンディショナーを使うとあっという間に奇麗にすることができます。
スロットルバルブの清掃を豪快にやっても問題ないのは、スロットルのアイドルアジャストスクリューがある時代の車です。
ISCという電磁バルブを使って、アイドリング制御をしている車はスロットルの清掃が原因で壊れることもあります。
スズキ車のスロットルバルブを、石油系溶剤のコンディショナーをつかって清掃するとISCのコイル線の絶縁被覆が溶けてショートしてしまうことがあります。
ISCってステップモーターで電気を流してバルブを伸ばしたり縮めたりしています。
この絶縁被覆が溶けてショートするとISCが壊れるだけではすなまい場合があります。
ISCバルブ駆動用の回路に過電流がながれて、ECUが壊れてしまう最悪なパターンが起こりえます。
気軽にスロットルを清掃しようと思ったら、なんとコンピューターが壊れてしまうという大惨事です。
どうやらこの事例が多数発生したため、スズキでは注意喚起として情報をリリースしています。
それではカーボンが堆積したスロットルバルブを掃除してはいけないのか?というと、そうでもありません。
安全なのが、車体からスロットルバルブを外して、不随のセンサやバルブを外した状態の単体で清掃する場合。これは大丈夫です。
ですが、電子制御スロットルなどになると、これもNGとするメーカーがあります。
スロットルポジションセンサなどはスロットルバルブから、エンジンコンディショナーが流れ込まない構造ですが、ISCなどは駄目です。
昔のダイハツのアイドルスピードコントロールバルブは大丈夫でした。あれは、スロットル内部とISCがつながってない構造のものがあったので、コンディショナーがいたずらをすることはありませんでした。
スロットルの清掃は確実に効いてよくなりますが、基本的にはエンジンから脱着して行うべきものだと考えてください。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。