今年最初の雪が昨日の夜中に降ってきました。最初の雪は積もる事はほとんどありませんけど、雪が降ったという事でタイヤ交換を始める合図にもなっています。
冬と言えば、車の暖機運転について議論が交わされる時期でもあります。
僕自身が考えている暖機運転は必要であると思っています。
理由は2つ。
・凍っているフロントガラスやミラーなどを解氷する為
・エンジンのアイドリング回転が落ち着くまで待たないと、クリープ現象が強く危険な為
僕が住んでいる地域っていうのは、真冬には氷点下が二桁台くらいにまで下がります。すると、リモート格納ドアミラーすら凍り付いて途中で止まることもあります。
もちろんガラスを解氷しないと走行も危険。さらにはエンジン回転が下がるまで待たないと、クリープ現象がきつくて危ないんです。
なので、僕は暖機運転は必要だと思っています。
目次
冬のエンジンオイルは硬くなり、ドライスタート気味になる
今使われているエンジンオイルの多くは低粘度化され、0W-20くらいが当たり前になってきています。
しかし、まだまだ平成初期の頃の車も走っていて、それらの車は5Wや10Wが主流のものもあります。
冬にオイル交換をしてみるとわかるんですが、ものすごくオイルが硬くなります。会社のオイルはドラム缶から吸い上げるエアー式なんですが、オイルが硬くてなかなか吸い上げられない。
これって、エンジンの中でも全く同じ状況です。
例えば真夏は外気温が35度。真冬は外気温がマイナス10度。その差なんと45度になります。同じ粘度のオイルだと流動性がまるっきりかわります。
真冬にエンジンを始動すると、打音が大きく感じるのは、油圧が正常に立ち上がるまで時間がかかるためです。
今のエンジンはバルブクリアランスも油圧だし、タイミングチェーンも油圧で張りを調整していたりします。
例えば、解氷スプレーなどで、さっとガラスだけ溶かしてからエンジンを始動。すぐに全開で走り出すっていうのはどうなのか?
ドライスタートはエンジンを傷つける原因になる
エンジンにとって一番酷なのがドライスタートだと言われています。
ドライスタートはオイルが下がり切っている中で、油圧が正常に立ち上がるまでの状態。シリンダーには油膜がないため、ピストンとシリンダーがこすれあい、コンロッドやクランクも軸にオイルが供給されてない。
もちろんカムシャフトなども同じです。
オイルで潤滑されていないといけないところに、オイルが行き届くまでの時間。それがドライスタートです。
真冬のスタートはドライスタート状態から復帰する時間が、夏のそれよりも長くかかるのは想像に難しくありません。
例えるなら水を流すのと水あめを流すのではまったく別物ですね。
極端な話、オイルの熱による流動性はその位の違いがあります。
冬はエンジンの為にもアイドリングが落ち着くまでは暖機を!
今の車はインジェクションなので、エンジン始動直後からきちんと補正が入ります。キャブの場合はオートチョークが落ち着くまで、アクセルの吹けが悪くなったりしますが、インジェクションは普通に走れてしまう。
いくら普通に走行ができるとはいえ、暖機運転が不要なのかというと、そうではないと僕は思います。
最低でもアイドリングが落ち着くまで。できればエンジンの打音が落ち着くまでは待っているほうがエンジンにとってはいいんじゃないかなと。
EVはエンジンがないので、暖機は必要ないのかもしれません。
冬の朝一指導はドライスタート時間が長いので、暖機運転をお勧めします。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。