はじめて車検を受ける人に聞かれる質問。
「なんで諸費用前払いなんですか?後で全部一括じゃダメなんですか?」
これです。僕も整備工場へ就職するまで知らなかったです。その当時はマイカーを車検するということがなかったので、よくわかっていませんでした。
僕が人生初めて車検というものを受けたのは、19歳の頃。400ccのバイクでゼファーXに当時乗っていました。車検というものがある!ということは、父親が車検で金が必要だ!と言っていた記憶が鮮明にあったので、ある程度理解していました。
当時実家を離れていた為、車検を取得すると言っても全て手探りです。どうすれば車検をとれるのか?
バイクは友達の友達から個人売買で買ったので、面倒を見てくれるお店すらありませんでした。
そこで当時の僕はタウンページを開いて、タウンページの広告で値段の表記のあった安いバイク屋さんにアポを取ってみたんです。
そこでは法定諸費用とか特に言われないで一括いくらで車検をやりますって!そんな感じでしたね。
目次
法定諸費用の前払いの理由とは?
車検の法定諸費用ってそもそも何か?
これは、車の重さや用途で決まっている一律の金額です。
・重量税
・自賠責保険代
・印紙代
この3つはどこの車屋さんにもっていっても一律料金です。それは車の重さと用途で決まっているからです。
そしてこの金額は車屋さんの儲けにはなりません。全て車検を通すために必要な費用です。平たく言うと全て国に治める金額です。
法定諸費用の前払いっていうのは、考えてみればわかりやすいんです。
そもそも車屋さん的には全く関係のないお金です。使用者が国におさめるべきお金。これを車屋さんが最初にもらっていないとどうなるか?
車屋さんが諸費用を立て替えて、車検を通しているということになります。
もちろん付き合いの長いお客さんなら立て替えて、後で一括請求でも安心ですよね。ただし、一度も取引をしたことのない人に対して立て替えてあげるのは怖くないですか?
あくまで車屋さんの収益になるのは整備代です。法定諸費用は関係ないのです。
整備代が3万円だとして、パジェロとかを車検に通す。法定諸費用は重量税が63000円。自賠が2万円ちょっと。印紙代はOSSなら1000円。
整備代よりも法定費用の方が高いですよね?この法定費用を車屋さんが立て替えて、新しい車検証を登録したら、車屋さん的には赤字なんです。
100%回収ができる前提ならいいけど、付き合いの浅い人なら支払いが怖い。
せっかく車検をやったのに赤字になるというなんとも意味不明な事態にもなりかねないわけです。なので、最低限でも法定費用だけは前払いで持ってきてくださいねって。
これが車業界の暗黙のルールです。
車検の支払いを分割でお願いしてくる人も居る
車屋さんをやっているといろんな人と出会います。
中には、車検代を分割にしてくれないかって相談を受けることがあるんです。
結構な頻度で遭遇します。お金がない人は車検ってやっぱりきついですからね。でも車屋さん的には、整備代を分割にしてもいいけど、法定費用は最低限前払いしてもらわないとそれこそ慈善事業になっちゃいますからね。
ということで、初めてのお店で車検を受ける時は法定諸費用を前払いしてあげたほうが、双方安心して話がすすむということを覚えておいてください。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。