車のリコールが年々増えてきているように思えます。どうしてリコールが増えてきたのか?自分なりの解釈ですが今まではうやむやにできた故障であっても、ネット社会でそれが表面化してきたから。ではないかと。
今までユーザー側からすると、泣き寝入りせざるを得なかったひどい故障もネット上で情報を共有できるようになり、ある種市民権を持ち始めた。
さすがにネット上で拡散され続けるクレームを自動車メーカーも放っておくとイメージ的にマイナスになります。
こういった流れで近年リコールが増えてきたのかなと。当然諸刃の剣という側面ももっています。一つ一つを細かく大々的にクレームだ!と声をあげられると自動車メーカーも萎縮してしまい、思い切ったチャレンジができなくなる・・。
クレームの出ない、面白みのない車が無難である。という風潮になってしまう。
ただ、これはおかしいだろう?というような故障が保証修理にならないことはしばしばあります。
この記事では、多発している同型車の故障で僕なりの基準ですけどクレームにしてもらいたいものを挙げてみました。追記もするかもしれません。
まずメーカーの保証は
リコールとサービスキャンペーン、保証延長にわかれます。リコールは、その車が存在する限り受けられる(一度だけ)保証修理。サービスキャンペーンはリコールの一歩手前。保証延長は、距離と年数が経過したら保証にならなくなるものです。
ここで、僕が提案したいのは
「発生時対応サービスキャンペーン」にしてもらいたいもの。リコールだと、該当の車体番号の車全てを修理しないといけない。発生時対応サービスキャンペーンだと、その故障が発生した時に受けられる保証です。
リコールであっても必ずその故障が起こるわけではありません。だったら、発生した時に保証修理する約束をしてもらえてる方がユーザー側にとってはいい。
リコールをするにはわざわざディーラーに予約をとって、その間は車が使えなくなるから必要なら代車を用意してもらうなどの事前打ち合わせが結構大変です。
なので、発生時対応サービスキャンペーンにしてもらいたいものを挙げてみます。以下に記載してある故障であっても、当時は保証期間であれば修理してもらえたものでした。ですが、これらの故障をユーザー負担にするのはどうなの?って思う故障です。
スバルのサンバー。型式がTT1、TT2。年式が新しいタイプですが、エンジンをかけるときにギャーというギヤ鳴りの音がする車があります。
エンジンがかかってるのにセルモーターを回すとギャーって音しますよね?あれと同じような音。原因はセルモーターとリングギヤのかみ合い不良。
修理するには、ミッションを下ろしてクラッチを外す。その奥にあるフライホイールアッセンブリーとセルモーターを分解してオーバーランニングクラッチを交換しないといけない。
これを実費で行うと、部品代で3万円弱(クラッチが減ってればさらに2万程度プラス)と工賃が5万円ほどかかってきます。
修理も大掛かりだし部品代もかなり高い。これは発生対応のサービスキャンペーンにするべき。
ちょっと昔のスズキの軽自動車全般に起こる故障。
ハンドルを思い切り切ってカーブを曲がると
「ゴゴゴゴゴゴゴゴ」
という異音がでます。これは4WDに限る話なんですが、前輪と後輪を繋いでいるプロペラシャフトの真ん中に、回転差を吸収するビスカスという部品が付いています。
このビスカスが壊れるとこのような音が発生します。
乗っていて結構不快な異音で修理代が高額になります。ビスカスの新品部品が65000円くらいかかってきて、工賃が8000円近くになる。
7万円弱はかかる修理です。
保証延長などにもなったけど、結局壊れる個体がほとんどなのでやはり一度は新品交換すべき部品です。
三菱の軽自動車全般ですが、SRS警告灯が点灯する故障です。故障の原因はハンドル下にあるスパイラルケーブル(ロールケーブル)の断線。
貨物車のミニキャブやミニキャブバンがよくこわれますね。
ハンドルの動きに追従するケーブルですが、これがどうやら切れやすいらしい。他のメーカーではあまり交換しないんですが、U62系統のミニキャブやミニキャブバンはよくこわれます。
部品代と工賃あわせると2万円弱の修理になってきます。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。