本日はホンダの情報を2つお届けします。まず1つ目が、保証延長がメーカーからアナウンスされました。どのような内容のものかというと、旧型フィットのDCC(デュアルドライクラッチ)についてです。
旧型フィットのGP型は、販売当初からミッションの不具合で何度もリコールが出てしまったモデルです。初期型のロットだと何度もコンピュータのリプロなどを繰り返しました。
つい先日もうちのお客さんで、ミッションの具合がおかしいということで、オーナーから問い合わせがありました。ですが保証期間は終了していますと、ホンダでいわれたばかりです。
その後どうなっているかくまなくホンダのHPでチェックしていたら、とうとう保証延長となりましたので具体的に紹介します。
目次
ホンダ旧型フィットのDDCの保証延長
今回保証延長がなされた内容を見てみます。
デュアルドライクラッチ(DDC)の偶数段クラッチベアリンググリス充填量が少ない状態で長時間の高速走行を繰り返すと、偶数段クラッチの温度上昇により樹脂ピストンが溶損し、シールが破損してフルードが漏れ、偶数段のクラッチが滑り、メーター内にトランスミッション高温警告表示がされ、発進または走行しづらくなることがあります。
ホンダHPより引用
そもそもデュアルドライクラッチとはどういうものなのか?
まずマニュアルのクラッチを思い浮かべてください。クラッチを切ると動力が伝わらなくなり、クラッチをつなぐと走り出しますね。
マニュアルに似たクラッチ機構を2つ備えています。海外メーカーでもデュアルクラッチがありますね。
何故クラッチが2つあるか?奇数段のギヤに1つ。偶数段のギヤに1つ備えています。
デュアルクラッチのメリットって何か?マニュアル車だと1速から2速、3速から4速とシフトアップをして、その都度クラッチを切り離しでシフトチェンジをしていきます。
デュアルクラッチだとこうなります。1つのクラッチが1,3,5を担当。2つ目のクラッチが2,4,6を担当。1速に入れている時にすでに次のギヤである2速ギヤが、2つ目のクラッチを切り離しながらかみ合い、スタンバイ状態に入っています。そして2速にスムーズにシフトアップ。
2速に入っている時に、もう1つのクラッチが切れて3速にかみ合いながらスタンバイをしている。奇数と偶数を個別にすることで、タイムラグを最小限にギヤを切り替えられる機構とざっくり考えてください。
もちろんこれらのは油圧などでち密にコントロールされています。
これがデュアルクラッチの特徴です。あくまで機械的なギヤをマニュアルのように切り替えていくので、ATのようなトルコンでのロスがなくなります。
しかし、ATって静かに動力がつながっていきますよね?デュアルクラッチはどちらかというとギヤのつながりがはっきりわかる位、ダイレクトにつながっていきます。
今回のホンダの保証延長は、次のような処置をします。
ハイドロスタティッククラッチアクチュエーター(HCA)の偶数段リザーバータンクの液量を点検し、液量が減少しているものは、DDCを良品と交換します
ホンダHPより引用
ホンダの場合ハイブリッドモーターとの連結にもデュアルクラッチを使っています。
保証延長の機関は従来だと新車登録から5年10万キロ以内でしたが、これが新車登録から9年に延長されました。
もしトランスミッション高温警告表示が表示されて、発進に不具合が出た場合は保証になりますので、ディーラーに問い合わせてください。
保証延長ですので、中古車で買った場合は保証継承点検をしていないと、保証にしてくれませんので注意が必要です。
GP型フィットやヴェゼルなどを中古で買う場合は、保証継承点検を受けておきましょう。初期ロットならあと2年間は保証がつくことになります。
保証延長って、車体番号検索でパッと閲覧ができないので、知らない業者さんなどは有償で修理に入る可能性もあります。こういう新しい情報はどんどんと紹介してアップデートしていきます。
出たばかりの保証延長なので、頭の片隅に入れて置いてください。
フィット、シャトル、ヴェゼル、フリード、グレイス、ジェイドなどが該当します。
ホンダのシートベルト、注文方法を紹介
続いては初めてのことだったので備忘録ということで紹介。
ホンダのシートベルト注文方法が、他のメーカーと違ったのです。
シートベルトがボロボロだから新品にしたいという依頼を車検と一緒にもらいました。従来であれば車体番号、型式・類別区分番号と年式を部品屋さんに伝えれば、シートベルトの注文が可能でした。
車検ではシートベルト警告ランプが点灯しないと、検査に通らないなど、完成検査に直接かかわってきます。
今回シートベルトを注文する時にホンダから言われたことは、古いシートベルトのシリアルナンバーを伝えないとオーダーが入らないというのです。
どこに書いてあるのかというと、シートベルト本体ですね。この車両の場合Jから始まる英数字がシリアルナンバーでした。
これを伝えないと、シートベルトを新品注文できませんでした。
多分板金などで頻繁に交換している業者さんはご存知かと思いますが、知らない人も居るかもしれないので紹介させていただきます。
なかなかセキュリティ的に厳重になってきた感がありますね。
以上、ホンダの情報を2件でした。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。