これは重たいですね・・・。
日野自動車が、今月に入り日本市場向け車両用エンジンの排出ガスおよび燃費に関する認証申請における不正行為をしていたことが発覚しました。
一連の不正を見ると、試験途中でマフラーを付け替えていたり、実際よりも良い燃費値を燃費計に表示させるようにして試験を実施したりと内容が悪質でした。
これを受けて、国土交通省が調査を開始し昨日処分の方向性が見えてきました。
日野自動車に科されるであろう行政処分は、不正を行った4機種のエンジンについて型式指定を取り消すというものです。
型式指定は車の量産に必要で、取り消されると、これらのエンジンを搭載した車の生産・出荷ができなくなります。
思い浮かべてください。車検の検査では検査員が同一性の確認からエンジンの打刻刻印。そして排気ガスのチェックに始まり、各部のオイルや水漏れの有無。排気騒音の測定、排気ガスを測定したうえで、継続検査に合格したとします。
新車の場合はどうか?型式指定を受けていれば、これらの検査が陸事で行わなくてもいいんです。
新車ってメーカーから製造されて、検査を受けた後ディーラーへ届きます。ディーラーは車を陸事に持ち込まなくてもナンバーの取得ができる。
いちいち新車を検査ラインに通してナンバーを付けていたら大変ですからね。
目次
型式指定を取り消されると、そのエンジンを積めなくなる
型式指定の取り消しとなれば、不正を行った4機種のエンジンを載せられなくなるわけです。
例えばトヨタはマイクロバスのコースターを売っています。この車のエンジンは日野自動車のエンジンが載っています。
不正があったN04Cです。
コースターをこれから新車で買おうと思ったら、このN04Cは載せられないという事になります。つまり、不正のあった4機種のエンジンが載っている車に関しては、一旦製造を中止せざるを得ません。
それを踏まえて、違うエンジンを載せるのか、はたまた日野が違うエンジンで型式指定を取りなすのか?いずれにしろ時間はかかってくるでしょう。
トヨタにしてみたらとばっちりを喰ってしまうわけですね。
既に生産販売している車両についてはどうなる?
それではすでに製造して販売までしている車についてはどうなるのか?
とりあえず、販売されている車に関しては使い続けることができるということです。
ただし、マフラーを途中で交換した不正のエンジンに関しては、排気ガスの基準が保安基準に適合しない恐れがあるため、リコールになる可能性が高いです。
その場合はマフラーの交換ですね。
燃費を偽っていたエンジンに関しては、日野自動車がそれぞれ罰金を払うことで、リコール処置にはしないかもしれません。
前も燃費基準を偽って販売されたという事で、日産のデイズなどが問題になりました。この場合は、ユーザーに自動車メーカーからキャッシュバックをすることで、終了となりました。
日野自動車の場合もそうなるのではないかと予測します。
3月25日の聴聞会後正式処分が下される
国土交通省は3月25日に聴聞会を行います。日野自動車、トヨタ自動車、いすゞ自動車の3社を踏まえての聴聞会です。
トヨタといすゞは日野のエンジンを載せて販売している車両があるからですね。
いずれにしろ今回の不正はかなり悪質で、大きな問題となっています。
法律が施行された1951年以来初めての処分になるので、注目を集めています。
そろそろディーゼルエンジンに変わるパワーユニットを、真剣に考えないといけない時期に来ていますね。
ディーゼルは長距離を飛ぶトラックがメインなので、燃料コストなどを考えないといけません。電気自動車だと相当な電池を積まないといけないし、充電時間も現実的ではないので、環境面からも燃料電池が一番なのではないかなと。
あとはコストとインフラですね。日野はこれを機に、トヨタとトラック用の燃料電池車などを考えていくのがいいんじゃないかなと。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。