自動車ニュース

日野自動車の再生プロセスは?型式認定取り消しの重みと今後について

エンジン不正の不祥事を起こした日野自動車。

うちのお客さんでも、デュトロを導入しようと思っていた会社がありましたが、ここにきての不祥事でいすゞのエルフへ切り替えざるを得なくなりました。

当の日野自動車の営業マンに話を聞いてみたところ、不正の余波は相当なもので、決算が終わっても落ち着く暇がないといっています。

これからのリコール準備や、既存のユーザーへのお詫び行脚で日々翻弄されているそうです。

今回エンジンの不正を日野が行ってしまい、国土交通省から型式指定の取り消しという処分が下されました。

この処分はほぼ前例がないほど重たいものとなります。

前にも書きましたが、型式指定というのは製造したエンジンの性能を保証しているもので、新車へ搭載する際に書類の提出で済むものなんです。

例えば販売された車は、トラックなどの小型貨物以上だと、初回は2年車検。以後1年車検となります。

その都度、法定の分解整備を行って、車検をしないといけませんよね。エンジンの項目だって、オイル漏れやら騒音のレベル、排気ガスなどの状態を検査します。それらに適合すると、車検証が更新できる。

新車の場合も流れは同じと考えてもいいんです。ただ、量産車の場合一台一台を検査していくと相当な手間になるわけで、型式指定の書類添付でOKなんです。

今回日野はこの型式指定を取り消されたので、量産車の販売が出来なくなってしまったということ。

不正内容を見る限り技術不足が否めない?

心配なのは不正の内容です。

検査の途中でマフラーを付け替えたとか、燃費に有利になるようなセッティングにしておいたとか、明らかに技術不足が否めない内容。

つまり、不正を行っていたエンジンは、従来の性能を満たしていないわけですよね。

これって、重要なことで、新たにそのレベルのエンジンを開発しようとしても、技術がそこに達していなければ暗礁に乗り上げてしまうわけです。

新しく型式指定を取る実力が伴ってこないと、そもそも復帰することはできません。

当面日野自動車は量産車を生産が出来なくなってしまったわけで、更にはリコール費用も圧迫してきます。

今年からは相当厳しい状況に追い込まれていくと思いますね。ディーラーなんかは全く車が売れなくなりますから。

整備はリコールでてんてこまい。営業は閑古鳥状態です。

そもそも三菱と日産が燃費基準の不正を発表した時に、他のメーカーも追従して似たケースが出てきました。

その時に社内調査をしていなかったのか?黙認していたとしたら闇が深いです。

企業としての信頼性が輪をかけて大きく失墜します。

幸いなことに日野自動車はトヨタと関係が密にあります。この窮地におそらくトヨタが手を差し伸べてくるのは間違いありません。

(トヨタも日野のN04Cというエンジンを、マイクロバスのコースターに使っている)

トヨタの手を借りて、少しでも早くこの難局を乗り切ってもらいたいですね。

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