トヨタのハイエースで、KDH206という型式のものです。
エンジンが吹けないという事で入庫してきました。
まずエンジンチェックランプが点灯。コードを読み取るとたくさんでてきます。
P0201、P0203、P0204。EDU異常。
P1604始動不良、P1605アイドル不安定、P1608エンジン出力不足。
冒頭のP021~P0204というのはインジェクタの不良コードです。
診断を進めていくと、どうやらインジェクタが不良のようです。一応データモニタでインジェクタの噴射補正を見ても、数値が大。
どうしてインジェクタが駄目になるのか?これは長年使ってくると、インジェクタ付近に汚れやらカーボン・スラッジ・ススなどが堆積してくるからです。
孔を塞いでしまい、必要な燃料を噴射できないという状況に陥るわけですね。アイドリングは普通にしていても、思い切り負荷をかけたりアクセルを踏み込むと吹けなかったり。
明らかに出力不良につながります。
ハイエースのインジェクタは1本51800円
この1KDに使われているコモンレールを構成する部品ですが、なかなかに高いです。
インジェクタが1本51800円。4気筒なので4本使われています。
サプライポンプは124000円と非常に高い。
コモンレールASSYも54600円。
工賃も結構すごいです。整備指数をみるとコモンレールインジェクタ1本交換で4.8時間。
コモンレールASSY交換で3.5時間。
サプライポンプの交換で4.6時間と設定されています。
どれも単体での交換を想定にした指数なので、まとめてやればそこまで工賃はかさみませんけど、単純にインジェクタを4本交換するとなると40万円規模の修理になります。
全てのハイエースが同様の故障になるかというと、もちろんそうではありません。予防するにはどうすればいいのか?
一番効果があるのはインジェクタの洗浄だと思います。
専用の燃料添加剤を入れてあげるだけでも、何もしないよりはましです。
ハイエースを得意としている工場なら、インジェクタの洗浄をしてくれるメニューもあります。ある程度の距離を走ったら都度インジェクターの清掃をしてもらえばいいのではないかなと。
今回はサプライポンプ、コモンレール、インジェクタまで全て交換しました。それはもう、凄いですよ。60万円オーバーの修理代となりました。
燃料添加剤と燃料フィルターもまめに交換するのが望ましいですね。
ディーゼルは燃料が命です。
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ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。