Categories: トヨタ駆動系

ハイエース クラッチ交換?駆動が伝わらないトラブル

先日、ハイエースを乗っているお客さんから連絡がありました。

「クラッチ滑っている感じだから交換して」


問題のハイエース

車を取りに行きました。

クラッチが滑っているかどうかのチェックとして

3速に入れてクラッチを切った状態で止まる。

サイドブレーキを引いた状態で、少しずつクラッチを離していく

クラッチを完全に離した状態で、エンジンがエンストを起さないのなら

クラッチは滑っています。

これはまぁ完全に滑ってるような車でのチェック方なので、

いちおう我が社のテストコースにハイエースを持ち込んでテスト走行してみました。

先ほどのクラッチチェックではまだまだ大丈夫そうなクラッチ
いいぞいいぞ。そのまま大丈夫であってくれ!

と、祈りつつ

坂道発進をやってみたら、

がりがりがり!

という結構な音がして、明らかに駆動がどこかで滑っているような状態になりました。

「クラッチ滑ってるんか?すっげぇ音だぞ!ミッションとフライホイール大丈夫かな・・」

普通クラッチというものは、滑っていてもそんなに激しい音はしないもんです。
何度か試してみましたが、どうも1、2速のトルクが強い時に駆動が滑ってる感じです。

「なんか違う気がするな~。とりあえず工場にもってくか~」

リフトアップして、車両を確認、

リフトアップした状態で、ギアを入れて空回りさせると異変が

フロントの右のタイヤが回らないのです。

この車はフルタイムの4駆なので、4輪全て回らないといけないのに・・・。

ハブをバラシてチェックしてみると


フロントアクスルフランジプレート(←手に持ってる部品はそういう名前)

が、おかしい。

ドライブシャフトとの連結はコイツの役割で、コイツのスプライン(縦溝)が異常に減っていた。

この車は、3ヶ月前に、車検をしている。

うちの工場ではない車検工場でした。
で、その時ハブのがたがあるということでハブベアリングをちょっと締め付けて
調整してる履歴がありました。

分解整備記録簿によると!

そのとき、このフロントアクスルフランジプレートを上手く締めてなかったために、
プレートとドライブシャフトの連結が上手くいかず、空回りしているという事態でした。

新品と比べてみると


このくらいの縦溝の山があります。

で、問題のこいつは


どう?一目瞭然でしょ?こんなに溝が減ってちゃそりゃ駆動もロスするわな。

てなわけで、部品を交換してみると、見事駆動のすべりは解消されました!

一応ドライブシャフトのスプラインもチェックしましたが大丈夫。

何キロかいろいろと試走したところ、クラッチ自体はまだまだ大丈夫でした!

やった!

クラッチを交換すると、工賃、部品代合わせて
50000円くらいの出費になるけど

これだけなら10000円もしないで修理できたのでお客さんも喜んでました。

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