昨年あった興味深い故障に考えさせられましたので、改めて紹介します。
知り合いの車ですが、某外国車でエンジンチェックランプが点灯してしまった。お世話になってる工場ではOBD診断機で詳しく読み取れない内容が読み取れない。ということで、他の工場に整備を依頼したとの事。
ちなみにうちの会社の診断機でも読み取れない車種だったので、当社で整備したわけではありません。
故障コードを読み取ってもらったら、エンジンの吸入空気量関連のコードが出ていたと。その工場の見解では、インテークバルブにカーボンが溜まりまくっているので、エンジン内部に入ってくる吸入空気量が正常ではないので、チェックランプが点灯してしまった。
直すにはエンジンのカーボンを洗浄しないといけない。ということでした。
話を聞いていると、なんとなくそういうことも起こりえるよな・・。昔の直噴エンジンって、もうすごいカーボンがたまりました。三菱のGDIエンジンとかすごかったです。
知り合いの乗ってる車は直噴エンジンではないですが。ちょっとに気になって知り合いに聞いてみた
僕「乗ってる車ってそういえばハイオク指定でしたっけ?」
知り合い「はい、ハイオク指定だからハイオクを入れています。」
と言っています。
ここで僕はちょっとした疑問を持ちました。
今市場に出回ってるハイオクって、レギュラーとは違い相当な洗浄性能があるということ。実際にENEOSのガソリンスタンドに僕も働いていたことがあります。
その時のENEOSハイオクであるヴィーゴというハイオクが出た!というチラシを僕も配った記憶があります。このハイオクを約1万キロ程度入れると、インテークにこびりついたカーボンなんか綺麗になってしまいますよ!といううたい文句です。
このENEOSのハイオクに追従して他の大手石油元売りでも、洗浄性能を売りにしたハイオクをリリースしてきました。記憶だと昭和シェルとかも似たようなハイオクを出しましたよね。当時。
そう、疑問です。
知り合いはハイオクを入れ続けているにも関わらず、カーボンがびっしり溜まってしまい、挙げ句の果てにはチェックランプが点灯しちゃった。これってなんだかおかしいですよね?
ハイオク車にレギュラーを入れて使い続けた。ということなら、なんとなく納得できます。洗浄性能が高いハイオクを使ってるにも関わらず、エンジンチェックランプが点灯するほどカーボンびっちりになっちゃうっていうのは、車がおかしいのか?使い方がおかしいのか?それとも燃料がおかしいのか?と気になってしまいます。
調べてみましたが、洗浄性の高いENEOSヴィーゴは2018年9月末をもって販売終了していました。では、現在出ているENEOSのハイオクはどんな性能があるのかな?と。
今までのENEOSヴィーゴはインテークにこびりついたハイオクを徐々に削減する性能を持っていました。
現在発売されているENEOSハイオクはインテークにこびりついたハイオクを削減する性能はなく、インテークバルブに新たな汚れが付着するのを防ぐ機能に変わっていました。
結局知り合いの車は、燃料添加剤を入れてエンジンをぶん回され、インテークから吸わせるカーボンクリーニングを実施して吸気系統のクリーニングを施工したそうです。
結果、チェックランプは消灯した。
この手法、国産車でも使うことがあります。マツダもスカイアクティブ用に燃料添加剤を販売しているほどです。
知り合いはENEOSでガソリンを入れているとのことで、もしENEOSヴィーゴが今でも販売されていたらここまでカーボンが蓄積されることはなかったのかな?
いろいろと思うところがあります。
確かに知り合いは車を飛ばすタイプではありません。そして、車自体は中でもスポーツモデルなので、動力性能は相当なタイプ。これを街中でチョロチョロ使うということは、燃焼室の温度なんか上がりきらないのも納得できます。
それにしても、うーん・・・。なのです。
整備工場からのアドバイスで、定期的に燃料添加剤を入れてくださいと言われたそうです。
ディーゼルエンジンにも言えることなんですが、エンジンってやっぱり回す時はきちんと上まで回してあげないと不具合が出てきます。
エンジンを回さないでいると、吹けの悪いエンジンになるとはよく言ったもので、燃焼室の温度が上がりきらないので、カーボンが付着しがちです。
当然プラグもくすぶってくる。たまにでいいので高速道路を一段低いギヤを使って、高回転をキープしてエンジンをぶん回す。これもかなり効果的な治療になります。
洗浄性能が高いと言われているハイオクがきちんと機能していないのなら、値段の安いレギュラーに入れ替えて、その差額で燃料添加剤を適度に入れていた方がいいのかな?とも思ってしまいます。
これは当然ハイオク仕様の車以外についてですよ。ハイオク指定になってる車は圧縮比やノッキングなどを考慮してハイオクを指定されています。
こういう車にレギュラーを入れるとノックセンサーが働いて、ノッキングを防ぐように点火時期を制御しますけど、基本的にはよろしくありません。
車が大切で、レギュラー車なのにハイオクを入れているような人は、ハイオクを入れる代わりに燃料添加剤をたまに入れる方がいいのかな?と。
燃料添加剤にもいろんな種類があるので、ちゃんとした用途で選んで入れた方がいいです。
僕はよくインジェクタークリーナーを愛用していますが、フューエルワンが一番おすすめです。
50リッター入るタンクなら、レギュラーとハイオクの差額は1回給油で500円弱です。3回に1回フューエルワンを入れられる計算にもなります。
たまには燃料添加剤をいれるというのもおすすめです。それにしても今回のことは疑問だらけです。
うちのお客さんでも実際にあった出来事です。
VWに乗っていて、直噴のツインチャージャーです。もう加速がすごい。ちょっとアクセルを踏むとグイグイと加速していきます。
こんなパワー、もちろん普段乗りで全開にすることなんかあり得ないだろうなと。実際のこの人は近所の足として使っているだけです。
次第にエンジンの始動性が悪くなり、最終的にはエンジンがかからなくなりました。
原因はプラグがかぶっていたということ。プラグを外して清掃。そしてダイアグを消去すると乗り出すことは可能です。
最終的にはカーボンが溜まっていき、この症状が頻繁に起きてしまうことに。治療はやはりカーボンクリーニングです。
欧州車ってそもそもが日本車と使い方が違います。向こうにはアウトバーンがあるし、一日の走行距離も長いです。
日本のようにチョイ乗りをする使い方を想定していません。仮に日本向けにECMなど設定を変更して持ってきていない限りは、チョイノリを繰り返すとトラブルが出るのは納得できます。
欧州車はエンジン回してナンボです。一度エンジンをかければ、もちろん完全暖機前に停止するということは少ないです。
全開走行だって週に数回はあることでしょう。日本では大型連休の時にようやくアクセルを踏むか!という感覚ですから。
エンジンにカーボンが溜まるということは、トラブルにつながるということです。そういう意味でもフューエルワンの価値はあがっていくかなと。
特にエンジン回さない人。車がハイオク指定の人、エンジンが直噴の人などは定期的に入れることをお勧めです。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。