夕方もすぎる5時半頃、一本の電話がなりました。
「いま病院にいるんだけどハンドルが動かなくて、エンジンがかけられない!すぐにきて欲しい」
と。
最初事務方が電話を受けて、ハンドルロックがかかってると思うので、ハンドルを左右へ回しながらキーを回して下ださい。
といった受け答えをしていました。ただおじいちゃんで、どうにもならないようで、病院のスタッフに代わってもらったようです。
が、若い病院のスタッフでもハンドルロックが解除できない。これは何かあるな・・・と思って、僕が出撃してきました。
車はS510系のサンバーです。
現場について、車を見るとタイヤが斜めになってるので、ハンドルロックがやっぱりかかってるんだなと。
もしかしたら、ATでシフトロックとかそういう問題の可能性もあるかなと思って、ちょっとした道具とバッテリカを持っていきました。
が、確かにハンドルロックが解除できない。
え?なんだこれ・・。なんでハンドルロックが解除できないんだろう?
こりゃ確かに病院の人でも解除できないわけだ・・。車はマニュアルです。シフトロックとかその辺の問題はないです。
何をしてもハンドルロックが解除できない・・。こんな経験は初めてです。一体どうなってしまってるのか?
ふとここで気が付きました。
??
そもそもこの車、リモコンドアロックがついてるグレードじゃないよね・・・?
おかしい・・・・。
と、思ってドアを閉め切ってリモコンのロックボタンを押してみました。
ドアロックがかからない・・。
もしや・・。
もしや・・・。
ここでカラクリに気がつきました。
渡されたキーはこの車のキーじゃないんです。
おじいちゃんに、このキーはこの車のものではないことを説明しましたが、
「おれはこの鍵で家から乗ってきたんだ!」
の一点張り。
おばあちゃんも隣にいて、聞いてみたら
「あれ、そうかもしれないね。うちにはもう一台ステラがあるよ。と。」
じゃあどうやってここまでこの車を乗ってきたんだ?
とにかくおじいちゃんに、
「ここまで乗ってこれたんだから、この車のキーを持っているはずです」
と伝えると
「ばかなこといっちゃいけねえ!キーはそれしかねえ!キーが違うってんなら家まで送ってって一緒に探してくれ!」
と、行ってきました。この病院から家までは約15kmも離れています・・・。
絶対にキーがあるはず。おじいちゃんの気分を逆撫でしないように、ゆっくりとやさしく説明して、ポケットの中を探してみて下さいと伝えたら・・・
ありました・・。
軽トラックのキーです。同じダイハツ系のキーなので、リモコンキーでもシリンダーの奥まできっちり刺さってしまい、非常に紛らわしい。
こりゃ誰がやってもハンドルロックが解除できないわけだ・・・。
出てきたキーを使って解除すると一発です。
まさか渡されたキーが違うとは・・。そしてそれを全く否定しないおじいちゃん・・。
いや、もうあなた、車乗らない方がいいですよ・・。
と、心の中でつぶやいてしまいました。危険極まりないですよね。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。