お客さんから突然電話が入り、
「ハンドルが尋常でないほど振れるからすぐに見てほしい!」
という依頼を受けました。
車はワゴンRです。ハンドルが振れる原因はいくつか考えられます。構内をリフトへ移動するまでもなく、確かにハンドルが直進状態で左右に激しく振れて、車体に振動がきます。
目次
ハンドルが振れる原因は?
車のハンドルが走行中に振れる。原因は何が考えられるか?
真っ先に考えられるのがタイヤです。タイヤが変摩耗や変形をしていると、ダイレクトにハンドルへ振動が伝わってきます。目視でわからない場合、タイヤを前後ローテーションしてみるなどすると、違いが分かりやすい。
次に考えられる原因は、足廻りのガタツキです。ハンドルに直結してくるラックエンドやタイロッドエンドなどにガタツキがあると、これまたハンドルへ違和感が感じられるようになります。
あと考えられるのは車体の歪み。いわゆるアライメントです。どこかにぶつかって、フレームが曲がっている、アライメントが著しく狂ってる場合など。これも経験がありますが、ハンドルへ違和感が伝わってきます。
ハンドルが振れるなどの現象はタイヤから足廻りに異常がみられるときに発生します。
溝が残っていても古いタイヤは交換を!
結局このワゴンRのハンドルが振れる原因は何だったのか?答えを先に書くとタイヤです。本人曰く、ひび割れを起こしているのは知っていたけどまだ溝があったから使っていたとのこと。
新車装着のままずっと同じタイヤを履いていました。走行距離が4万キロくらいです。
タイヤの製造年数を読み取ると2012年39週目に製造されたタイヤです。今から8年ちょい経過しています。
著しく変形していたのはフロント左に履いていたタイヤです。しかし他3本もひび割れはすごいし、いつ同じ状態になるかわからないので4本交換させていただきました。
どこかに思い切り乗り上げたとかそういう形跡はありませんでした。単純にタイヤの寿命と考えていいと思います。
タイヤって、いくら残り溝があったとしても硬化してしまえばグリップしません。そして弾力性が失われることで、普段なら問題なく走れている細かい段差などでも、ダイレクトにタイヤに衝撃が蓄積されてしまいます。
タイヤは5年くらいを目途に新品に交換することをお勧めします。もちろん使用条件や車の保管場所などによっては、もっと長持ちすることもあります。
一番は日の光に当たる時間が短いことが望ましいです。紫外線が当たるとタイヤは固くなっていきます。
どんなに溝が残っていたとしても、グリップ力が低下しますし、今回のように変形・バーストにつながる可能性があります。
タイヤは命を乗せている部品です。唯一車と地面を接してる部品でもあります。タイヤとブレーキの状態って、人命に直結するので早めに交換をするようにしてください。
コストバランスと信頼性でネクストリーがお勧めです!
このワゴンRももう少し走行していたらバーストして、走行不能になっていたでしょう。高速道路を走行中にバーストしたらと思うと、恐怖でしかありません。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。