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自動車検査員の人なら知っていると思いますけど、車検時のヘッドライト検査が変更になります。

現在車検時のヘッドライトの検査については、平成 10 年 9 月 1 日以降に製作された自動車(二輪、大特 除く)の前照灯試験はすれ違い用前照灯(ロービーム)で行うように指示されていますが、、暫定的な処置として、「整備工場における前照灯の検査 の取扱いについて（平成 10 年 8 月 31 日付 自整第 142 号）」により走行用前照灯が基準に適合して いることを持って、すれ違い前照灯も適合するものとして取り扱われています。

これが下記のように変更になります。

 

平成 27 年 9 月 1 日から、平成 10 年 9 月 1 日以降に製作された自動車(二輪、大特 除く)の前照灯試験について、原則、すれ違い用前照灯(ロービーム)により検査を実 施します。なお、平成 10 年 8 月 31 日以前の製作車はこれまでどおり走行用前照灯(ハ イビーム)で検査します。

これが何を意味するかというと、今までは平成１０年９月１日以降に製作された自動車については走行用前照灯のテストでも車検はパスできたんです。それが今年の９月１日からは必ずすれ違い用前照灯で検査をしないといけないということ。

何が問題なのかというと、ロービームの光度です。これが実際に完成検査をしている人間から言わせて貰えば、ロービームで光度が規定値以上出ていない車がたくさんあるということ。そういうとき、今までなら前照灯、つまりハイビームで光度をクリア出来ればそれはそれで問題ないんです。

実際に陸事に持ち込みの車検をすると全てハイビームで検査をしています（僕の地域の管轄陸事の場合）

だけどロービームできちんと検査をしないといけないとなると、困るな〜。

どのような車がやばいかというと、HIDが搭載されている車ですね。特にプロジェクタヘッドライトのHIDは光度が全然あがりません。

もしかしたらうちのヘッドライトテスタではうまく拾えきれていないのかもしれませんけど、必ずしもHIDが明るいというわけじゃないんです。初車検ですれ違い用前照灯検査でギリギリの光度なんて車は山ほどありますからね。

そういった車両のヘッドライトが黄ばんできたら、まず検査に通らないでしょうね。

ということで今年からちょっとやばいなー。と思うのでした。

ヘッドライトテスタを最新のものにした場合どの程度光度が拾えるかが興味ありますね。ユーザー車検をやる人は気をつけてくださいね。

追記（平成２７年９月１７日）

すれ違い用前照灯での検査が始まって、一ヶ月も経過していない時点で自動車整備振興会から通知がありました。

以下重点を抜粋します

すれ違い用前照灯の計測方法の変更に伴う当面の取り扱いについて

前照灯等の光度及び照射光線の向きの審査は、審査事務規定第６７次改正に基づき、平成２７年９月１日以降、原則すれ違い用前照灯の計測方法により計測をしているところですが、当面の扱いとして、下記の通り取り扱うこととなった旨自動車検査独立行政法人から日整連に通知がありましたのでお知らせいたします。

なお、軽自動車についても同様に取り扱われるとのことです。

記

すれ違い用前照灯の計測において、右側もしくは左側のみを計測した時点で前照灯試験機により不適合と表示された場合は、計測困難な自動車とみなして走行用前照灯を計測するものとする。

この場合において、走行用前照灯を計測し不適合となり再検査で再度計測する場合は、すれ違い用前照灯または走行用前照灯のいずれの方法で計測しても差し支えない

と、まあこの様な通知が長野県では自動車整備振興会から届きました。つまり、長野では当面ロービームで計測して計測が困難な場合は、ハイビームで計測してもOKということとなったのです。

これは全国的な通達なのかは定かじゃないので、長野県外の検査員の方は最寄りの陸事まで問い合わせてください。

こうなるだろうなと思ったんですけどね。実態を知らなすぎるんじゃないですかね？初車検でもロービームで光度が上がらない車なんか山ほどあったんですから。そういった車って、ユーザー側からしてみたら新車時のクレームとして取り扱ってもらわないと納得できないですからね。

初車検でライトが適合しないなんて製造元に問題があるって言われても仕方がないと思います。もっと実態を調査してから審査事務規定を改正してほしいものです。