トヨタから本格的なラリーカーとしてGRヤリスが販売になりました。エコなコンパクトカーのヤリスをベースにしてるのかと思いきや、全く違う別物です。
今はWRCのホロモゲ(WRC世界ラリーの出場に必要な型式認定)を取得するがために開発されたと言っても過言ではないモデルです。ただ、現在はWRCのレギュレーションなどでホロモゲ取得からちょっと迷走気味です。
しかし、リアルラリーカーであるGRヤリスが販売されているのは事実で、その内面を調べてみるとメンテナンスの側面からもこだわりを感じたので紹介します。
ここではG16E-GTSエンジン搭載のハイパフォーマンスモデルのGRヤリスについて調べてみました。
まずはエンジンオイルから調べてみました。
G16E-GTSというエンジンを搭載している一番最強グレードRZハイパフォーマンスのGRヤリスです。
1618ccで3気筒ターボエンジンのG16Eですが、272馬力を発揮します。使用燃料はハイオクです。
そんなハイパワーエンジンを潤滑しているオイルはトヨタ純正の高性能オイルです。全合成油の0W-20という粘度。
ちなみに燃費はWLTCモードで13.6km/lです。
RSというグレードに搭載されているM15Aには0W-16を採用しています。
RZハイパフォーマンスのG16Eはオイル量がオイルのみで4リットル。フィルター同時交換で4.3リットル使います。
1600ccに今どき4リットルのオイルを使うのは、オイル量が増えるとそれだけエンジンを保護しやすいという観点からだと思います。
RZハイパフォーマンスにはターボを守るためのアフターアイドルについて記述があります。
以下抜粋
ターボ装置などの損傷を防ぐ為、高負荷走行直後は、アイドル運転を行ってからエンジンを停止してください
GRヤリス取り扱い説明書より引用
どの程度のアフターアイドルが必要なのかというと、市街地や高速走行では不要。急な登坂走行やサーキットランをした後は約1分のアフターアイドルをするように記載されています。
そして、スポーツモデルならではのブレーキについても記述があります。
・ブレーキノイズが発生することがある
・ブレーキダストが出やすく、パッドの寿命が短いことがある
・ブレーキパッドが張り付くことがある
・低温、雪、水などの影響でブレーキの効きが低下するおそれ
この辺りはスポーツブレーキパッドの取り扱いと同じですね。
さすがはラリーカーだけあって、インタークーラースプレーを装備しているモデルがあります。インタークーラースプレーっていうのは、ターボの吸気温度を下げるためのインタークーラーに向かって噴射するスプレーです。
水の気化熱って最大で、インタークーラーに水を噴射することで、よりターボの吸気温度を下げて空気密度を上げることができる。
つまり熱ダレによるパワーダウンを回避できるものです。ランエボなどにも搭載されていました。
そして、ファンベルトは高強度アラミドベルトを使っています。これは、チューニングメーカーから出ている強化タイミングベルトなどと同じ素材です。
通常のファンベルトよりも強いです。
ある意味スープラよりもよっぽどガチンコな車だと思います。ちょっと今は迷走中ですが、このGRヤリスが持つ性能はWRCでこそ発揮されるべきなので、トヨタにはもっと頑張ってもらいたいです。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。