VWのゴルフ4です。チェックランプが点灯したということで、お立ち寄りされました。
型式はGH-1JAZJというタイプ。
エンジンはAZJです。
点灯したランプがこちら。国産車だとエンジンチェックランプという名称で通っているものです。
VWの場合、エキゾースト( 排気 )警告灯です。排気ガスをきちんとクリーンな状態に保つための部品をモニターしているというニュアンスだそうです。
国産車のエンジンチェックランプとほぼ同じだと考えてください。
お客さんは車を預けている時間がないということで、診断だけしてどのような問題がでるかだけおしえてくれという。
まずはダイアグノーシスを読み取ります。
ゴルフ4のダイアグを読み取るためのOBDコネクタは灰皿の上にあるパネルを外すと出てきます。
16ピンコネクタです。この年代は規格が統一されているのでおなじみ台形コネクターで接続してダイアグを読み取れます。
OBD2がで始めた頃って、各メーカーによってコネクター形状が違っていました。中間ケーブルを差し込んで繋げないとダメだったけど便利になった。
出ました。ダイアグノーシスです。
P0118水温センサ1系統電圧高い
というコードです。ここでひとまず状態を整理します。
現状ですが、エンジンの始動性はまったく不具合なし。メーターパネルの中にある水温計も真ん中付近にあります。おそらく現在はお客さんが乗ってきたので完全暖気後です。
電動ファンも作動している。エンジンルームのクーラントの量も適正な範囲内。
何よりエンジンの吹け上がりなど何も体感できる現象が起きていないということ。
お客さんに若干の問診をすると、始動性が悪い時があったという。いつからだったかは覚えていないけど、普通に乗ってる分にはそんなに問題はないとのこと。
こちらがゴルフ4の水温センサ。4ピンカプラーです。
これより先は、サービスマニュアルにのっとり水温センサの単体点検などをしていかないといけないわけですが、お客さんはとりあえず帰るということ。
そして、フリーズフレームデータをみると
エンジン冷却水温の項目がマイナス40度を表示しています。
これらのデータをみる限りでは水温センサ単体の抵抗値が大きく狂ってるもしくは内部で断線しているといったことが考えられます。
その弊害は何かと言うと、車はマイナス40度の環境下にあるとECUが判断してしまうので、当然燃料が濃い状態で噴射されてしまう。始動性が悪くなる。
前にワゴンRで同じ状況になったのがあったんですけど、それはもう相当始動性悪いです。かぶりまくってなかなか火が入らない。エアクリーナーを外して空気を大きく取り込ませてようやく始動できたほど。
いまのところそこまで極端な状態になっていないみたいですが、早めの修理をしないとよくないでしょう。
燃調が濃くなってもO2センサからフィードバック制御が入るので、またそこで微調整がかかって体感できないレベルまで車が頑張って保持しているということか?
いずれにしろ水温センサは早めに点検・交換したほうがいいということをお伝えしておきました。
もう少し後の年代のゴルフ4は電子サーモになってるので、一緒に交換するのがベター。
OBDコネクタの位置を知らないと、それを探すところからスタートだから大変ですよね。今ではネットで場所はパッと出てくるからいいけどね。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。