本日はガソリンや軽油など燃料についてです。みなさんはガソリンを満タンにしていますか?僕も若かりし頃はガソリン代をなかなか捻出できなくて、いつも1000円とか2000円とかで入れていました。
今は給油といえば満タンにしています。頻繁にガソリンスタンドへ足を運ぶ時間が取れないし時間がもったいないから。
少しでも燃費を稼ぎたいのであれば、ガソリンは満タンにすべきではなかったりします。逆に、ガス欠っていうのは車にとって無視できないダメージを与えます。
それぞれ見てみましょう。
もし、愛車の燃費を最大限に引き出したいと思ったら、ガソリンや軽油は満タンにするべきではありません。
ただしこれには条件があって、通勤途中などにいつも入れているガソリンスタンドがあるということ。この条件をクリアできるのであれば、燃料は半分給油がお勧めです。
その理由は何か?
ガソリンや軽油のタンクって、軽自動車であっても40リットル近く入るものがあります。車が大きくなればなるほど燃料タンクの容量が増えていく。
僕が乗ってる車は燃料を空にして入れると30リットル近く入ります。小型車のほうは40リットルを超えて燃料が入ります。
燃料を満タンにするとそれだけ重量が重たくなるわけです。車重が増えることは燃費にとって百害あって一利なしです。ガソリンや軽油の比重は水より軽いので一概に言えませんが、イメージ的に1リットル当たり700g超になります。
つまり20リットル余計に入れるかどうかで、車の重さが15kg程度変わってくるわけです。これが厳密にいうと燃費に影響を及ぼします。
もし究極のエコランを目指すのであれば、燃料は半分給油がお勧めなのです。
当然、近くにガソリンスタンドがないという場合は、給油に行くまでの燃料を計算しないといけないので満タンにしたほうがいい場合もあります。
燃料の重さは馬鹿にできないということです。
続いて逆のパターンです。ガス欠が車に及ぼす影響について。これは大きく2つに分かれます。
まずガス欠してしまった車で心配しないといけないのは燃料ポンプです。今の車の燃料ポンプは燃料タンクの中に沈められています。
ガス欠を起こしてしまうと、本来なら吸い上げられるはずのガソリンではなくて、空気を吸い込んでしまう。
これが良くないんです。ガス欠を起こすと燃料ポンプが壊れることがあります。その理由は何故か?燃料ポンプは燃料自体を使ってモーターを潤滑させています。
ガス欠になってしまうと、燃料ポンプが焼き付いてしまうことがある。これは本当の話。焼き付かない場合もありますが、燃料ポンプにダメージは蓄積されてしまいます。
ガス欠を起こすと、燃料ポンプが壊れてしまう可能性があるということ。もう1点はもっと深刻です。
高速道路や高負荷をかけている状態で、車がガス欠になってしまったら・・・。燃料ポンプを燃料で潤滑しているという話は先ほどしましたが、ガソリンは燃料以外にもエンジンにとって重要な役割を担っています。
エンジンって高速で回転して内部で燃料を爆発させていますが、実はガソリンってエンジンを冷却する効果もあるんです。
どういうことかというと、具体的にはエンジンのピストンを冷却する作用があります。もし高負荷状態で急なガス欠が起こるとどうなるか?
エンジン自体は高速で回転しているのに、燃料冷却が行われないと燃焼室の温度が上がってピストンに穴があくことがあるんです。これも本当の話。
なのでレーシングカーなどはコレクタータンクというタンクを設けて、急激な横Gがかかった時でも安定して燃料を供給できるようにしています。
サーキットランで急なガス欠を起こすとピストンが溶ける可能性があるからです。
ガソリンではなくてディーゼルはどうなのか?これもおおむねはガソリンと同じです。ディーゼルの場合燃料切れを起こすと、燃料ラインにエアを噛みこんでしまって再始動ができなくなります。
車種によっては完全に燃料切れになる前に、エンジンを停止する制御をしてくれる車もあります。この場合は燃料切れと思いきや、給油すると普通にエンジンがかかります。いわゆる安全装置みたいな考え方ですね。
しかしクリーンディーゼルで燃料切れを起こすと、高圧のコモンレールインジェクタを壊すことがあります。ガソリンエンジンよりも被害は大きくなることがあるので注意が必要です。
結局どちらがいいのか?というと、これはもう燃料は満タンにするに限ります。
究極のエコランを目指すのなら、車の余計な荷物を下ろすなど総合的にやらないと意味がありません。
それよりも各部を保護したり、災害時にはやはり燃料が満タンに入っているということは、とりあえず安心につながりますので、僕は満タン給油をお勧めします。
少しの燃費をケチって車を壊してしまえば本末転倒です。どうしても究極のエコランを試したいのであれば、条件がそろった1回だけ試すとかそういうやり方のほうがいいんじゃないかなと。
燃料を満タンにしておけば、鉄製の燃料タンク内に水滴が溜まるのも防げますので総合的にみるとやはりお勧めです。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。