欧州車で続々とラインナップが増えてきています。PHV。日本でもアウトランダーPHEVから始まり、プリウスPHVとそしてRAV4にもPHVがデビューしました。
これからの基幹となるユニットだと思います。というのも、HVに比べて搭載するバッテリーを増やすことでEVモードとしての航続距離を伸ばしているPHV。それだけでなく1500Wの電源を供給できるということで、災害時にも役に立ちます。
HVでも1500Vのアウトプットを持っていますが、PHVはバッテリー容量がでかいので、エンジンをかけなくてもそこそこの時間電気を供給することもできます。
EVが本格的に台頭するまではPHVの時代だろうなと考えていますが、気を付けないといけないこともあります。
ガソリンエンジン車、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車。これらに共通することはエンジンがあるということ。
EVは電気自動車なので、エンジンはありません。
エンジンがあるということは、オイル交換を始めとするメンテナンスをしないといけないです。
ガソリンエンジン車、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、この中でエンジンオイルに一番気を付けないといけないのはどれか?
プラグインハイブリッドです。
ハイブリッドカーが出始めから普及してきたころ、整備振興会で学んだことは
「オイル交換はハイブリッドだからこそ、こまめにしたほうがいい」
ということでした。理由を聞いてみたら、当時はアイドリングストップという機構もほとんどの車がなかったわけですが、ハイブリッドはその当時からエンジンを停止したりかけたりを繰り返し制御していました。
時にエンジンが温まる前に停止してしまう。こんな使い方を繰り返していると、オイルに対する負担が大きいということ。
ハイブリッドカーだからこそオイル交換はまめにしないとまずいよというものでした。
実際にプリウスでエンジンを駄目にしてしまう人もいるという話を聞いています。
プラグインハイブリッドはどうか?
PHVではオイルとガソリンに気を使わないといけません。自分がPHV車を買ったらどうします?やっぱりランニングコストを下げるために、夜に自宅で充電をして通勤は出来る限りEVモードで走りますよね?
極端な話、ハイブリッドバッテリーの寿命が尽きるまでEVモードだけで走行距離を伸ばすことだって可能です。
その間、エンジンはどうなるのか?エンジンはいつでも始動ができるように燃料は入ってるしオイルも入ってる。
さすがにガソリンが古くなってくると、燃料系を詰まらせるなどの不具合が起きてきます。なので、アウトランダーPHEVでは一定時間以上エンジンをかけないでいると、強制的にエンジンを始動する制御が入ります。
これによりガソリンを流してつまりを解消させる。それと同時に、ガソリンも15リットル以上いれないと警告表示が消えないなど、使用者に対して注意喚起を行っています。
ガソリンもそうですがオイルだってそうです。EVモードで走っていると、実際はエンジンをかけていない。ですが、一度火を入れたオイルは酸化して劣化が始まります。
走行距離をEVモードで走っているからと、オイルを交換しないとマズいということになります。
PHV車では走行距離よりも時間軸でエンジンオイルを管理して交換していくのが理想になると言えます。
実際にエンジンで走行しているのかEVモードで走行しているのかでは、エンジンオイルの劣化具合が変わってきます。でも、一度熱を入れると酸化して劣化が始まるので、定期的に交換をしないといけません。
ガソリンエンジン車、HV車、PHV車。この中で一番オイルに気を付けないといけないのはPHV車であるといえます。
ガソリンエンジンは、目に見えてオイルが汚れるし管理がしやすいです。PHVになるとオイルの汚れはそうでもないとしても、実は劣化しているということが起こっているからです。
オイルが汚れていないと、まだ交換をしなくても大丈夫だなと誤認識されがちです。PHVこそ時間軸でエンジンオイルの交換をするようにしてください。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。