日本とヨーロッパでは、車の使用環境が違います。日本ではストップアンドゴーが多い。国土も小さいし、信号も至る所にあります。
毎日街乗りの通勤だとすると、都会に行くにつれ渋滞も多くなる。走ってる時間と同じくらい徐行してる時間も多かったり。
ヨーロッパやアメリカは一日の移動距離が日本よりも多いです。フリーウェイもあるし、アウトバーンもある。速度域がそもそも違います。
日本と欧州ではオイルの規格がそもそも違います。
日本車に設定されているオイルはAPI規格で欧州車専用オイルはACEA規格になります。
API規格はどちらかというと低燃費を重視しているイメージです。ACEA規格は低燃費より耐久性に重きをおいている。やはり日本で使われている車より、ヨーロッパで使われている車のほうが耐久性が大切になります。
それだけエンジンに対する負荷が大きい為です。
うちの会社には、好んで欧州車に乗ってる人も何人かいます。
ちょっと興味深いのがそのメンテナンス。2パターンいますが、とにかくその車が好きな人。それと、つなぎで面白い車を乗り継いでいる人。
とにかくその車が好きな人は、エンジンオイルもこだわりの品を買って入れています。もちろんACEA規格で最高級の化学合成油です。
純正オイルを入れていたり、ワコーズを入れたり、カストロールを入れたり。
信頼性抜群です。
しかしつなぎで車を乗り継いでいる人は、基本的なメンテナンスはやりますが、部品の銘柄は特にこだわらない人が多い。
僕も中古車をふらふらと乗り継いでいるので、いろんなパーツやオイルなどを試して楽しんでいます。
僕自身は外車を所有したことはありません。つなぎで外車に乗ってる同僚が、日本の軽自動車に入れるような普通の鉱物油を入れていました。
グレードこそSNで、粘度は5W-30。今でいう安売りのオイルですね。鉱物油です。200リットルドラム缶オイル。会社で一般の安売りキャンペーン用オイルです。
欧州車に日本の安売り鉱物油を入れたらどうなるのか?実際に同僚が入れて毎日通勤してきています。
結果を書くと普通に問題なく使えています。
同僚が乗ってる外車。指定粘度は5W-40。欧州車に多い設定の粘度ですね。
これに対してSNの5W-30を入れて使っていますが、異音も出ないし普通に動いています。車種を具体的に書くとゴルフやポロなどVW車です。
VWの純正オイルって、カストロールと共同開発したという代物で、長寿命が売りのオイルです。もちろん単価も高いです。
長寿命なので、単価が高くてもトータルコストはあまりかわらない。などとディーラーのチラシには書いてありました。
日本のオイル交換は長いもので15000kmごと。それよりも長く使えるのがVWの純正オイルです。もちろんVW車に対してです。
このVW車に日本の格安オイルを入れても普通に動く。だけど、メーカー指定のロングライフな交換距離まで使えるか?というとそれは難しいと言えます。
オイルの基本性能が違うから。日本で使う街乗りレベルだと日本のオイルでも問題なくいけてしまう。でもこんな格安オイルを入れてアウトバーンを走るとなると、ちょっと心配ですね。
欧州車でも大衆車であれば、さほど問題なく日本のオイルをいれて日本の道路を走ることは、最低限の保護は出来ていました。
しかし、高性能なスポーツモデルなどに日本の格安ドラムオイルを入れるとどうなるのか?
さすがにそれを試したことはまだありません。
フェラーリやランボルギーニに対して1リッターあたり200円以下の格安エンジンオイルを入れてみるか?というと恐怖しかよぎらない(笑)
僕が考える外車に日本のオイルが使える条件というのは
・日本の街乗りレベルで使うということ
・大衆車であるということ
・オイル交換の時期は早めに行う事
これらをクリアすれば自己責任でも行けてしまうかな。実際にうちの整備士が実践してくれていますから。
高い外車を買って、メンテナンス費用をケチりたい!という人はあまりいないかもしれません。もちろんそんなオイルを入れていれば、メーカー保証内であってもトラブルが起きたら保証外になってしまうかもしれません。
その車にはその車に見合ったクラスのオイルを入れてあげることが最適なんだと思います。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。