実際にリコール作業を実施してみて、なんとも言えないな・・・。と思うものがあったので書いてみます。
それはタントファンクロスのエアディフレクタ。
リコール内容は
後輪前方の床下に装着しているエアディフレクタにおいて、開発時の形状検証が不十分であったため、外装の技術基準(協定規則第26号)に適合していない。というものです。
では問題の箇所はどこか?
リヤタイヤの近くにあるエアディフレクタ
問題は写真中央のこれです。
よくみるとちょっと出っ張っていますね。これが現在の外装基準に適合していないということなんです。
こちらがリコール部品で、エッジが丸くなってるのがわかります。
交換前はこんな状態ですが
交換後はこのように、尖った部分が車体内部へ隠れています。
そもそも外装基準とはなんぞやというところですが、
目次
外装の技術基準(協定規則第26号)とは?
自動車の安全性を高めるための国際的な基準の一つです。簡単に言うと、自動車の外装に鋭利な突起物があったり、歩行者と衝突した場合に怪我をさせてしまうような形状をしているとダメというルールです。
なぜこの基準が必要なの?
自動車と歩行者が接触した場合、鋭利な部分にぶつかって怪我をしてしまう可能性があります。この基準は、そのような事故を減らし、歩行者の安全を守るために設けられました。
具体的にどんなことが規制されているの?
- 鋭利な突起物の禁止: ボンネットやバンパーなど、自動車の外装に鋭く尖った部分があってはいけません。
- 危険な形状の禁止: 歩行者と衝突した場合に怪我をさせてしまうような形状の部品は禁止されています。
- 曲率半径の制限: 外装の曲率半径には制限があり、あまりにも鋭角な曲線は認められません。
導入の背景
- 国際的な調和: 世界中で自動車の安全基準を統一し、より安全な自動車社会を実現するための取り組みの一環です。
- 歩行者保護の強化: 自動車と歩行者の事故が増加する中、歩行者の安全性をより高めるために、この基準が導入されました。
導入されたのはいつ?
日本では、2001年に道路運送車両の保安基準が改正され、この基準が導入されました。ただし、全ての車両にすぐに適用されたわけではなく、猶予期間を経て、2009年1月1日以降の新車から適用されることになりました。
私たちにとってどんな意味があるの?
- より安全な自動車: 新しい車は、この基準を満たすように設計されているため、より安全になっています。
- 歩行者も安心: 道路を歩く際、以前よりも安全になったと言えるでしょう。
具体的にどんな部分が変わったの?
- ボンネット: 歩行者と衝突した場合に、ボンネットが変形し、衝撃を吸収しやすい形状になりました。
- バンパー: 角が丸みを帯びるなど、歩行者への衝撃を軽減する形状になりました。
- ヘッドライト: ヘッドライトの形状も、歩行者との接触時の安全性を考慮した設計になっています。
まとめ
外装の技術基準(協定規則第26号)は、自動車の安全性を高め、歩行者の保護を目的とした国際的な基準です。この基準のおかげで、自動車と歩行者の事故による怪我を減らすことができ、より安全な社会の実現に貢献しています。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。