燃料系統のトラブルは昔よりは減ってきました。だけどまだチラホラと不具合を起こすことがあります。今回はガソリンにまつわる、あるあるなトラブルと原因について。
燃料メーターのトラブルで一番多いのが、今入っている量と違うというもの。例えば満タンに入ってるのに、半分しかメーターが上がっていない。
いくら走ってもガソリンが減らない?
これでは正確な残量がわからず、安心して遠出ができません。
ガソリンを満タンに入れたはずなのに、メーターが満タンにならない・・・?
燃料メーターが誤作動しているのか、この原因は何か?よくある原因として2か所が怪しくなります。
まずは燃料メーター自体がおかしいということ。メーターの針に引っかかりがあって、満タンまで振り切ることができない場合。
続いてが、燃料の残量を計っているゲージユニット。こちらが故障している点。
ゲージユニットは可変抵抗になっています。この接点不良や抵抗自体が壊れていると、メーター側で誤作動を起こすことがあります。
メーターかユニットがいけないのか?それを切り分けるには、メーターのゲージユニットにつながる配線を引っこ抜いて、アースに落としてみる。
すると、メーターは振り切るはず。メーターが正常に振り切る動作をすると、メーター側に問題はないということになります。
ゲージユニットの不良診断は、マニュアルに載っている抵抗値を計測する方法。あとは配線をつなげた状態で、燃料メーター自体で確認する方法があります。
黒い四角い部品が浮になっています。このフロートと呼ばれる浮が燃料の油面にプカプカと浮いてくる。
それで満タンを検知しています。
確実にゲージユニットの作動を点検するには実際に燃料タンクに燃料が入った状態で、フローがちゃんとひっかかりなく浮くかを確認します。
これで問題あるかどうかを判断します。
そしてよくある燃料メーターが下がらないというトラブル。これこそあとどのくらい燃料が残っているかがわからないので怖いです。
このトラブルもよくある原因は2つ。メーター側か、ゲージユニット側か?
メーターの指針に引っかかりがあって、そこから動かない。ゲージユニットに引っかかりがあって、そこからフロートが動かない。
どちらも最初のトラブルと同じ方法で確認することができます。
普段から燃費を計測している人ならば、燃料計のトラブルが起きたとしてもオドメーターの距離で残量が判断できます。
燃料メーターのトラブルでメーターとゲージユニットに問題があることがわかりました。このゲージユニット側でトラブルを引き起こしやすいのが燃料タンクの錆です。
ご覧の通り、燃料タンクは真っ赤錆です。ここまで錆びてしまうと、ゲージユニットのリンケージも錆びています。
リンケージが錆びてしまうと、スムーズに動かなくなるのでフロートの浮力だけで抵抗値を変化させることができなくなります。
燃料タンクの錆を防ぐには、常に燃料を満タンにしておくか定期的に燃料タンクの水抜き剤を入れること。
水抜き剤は燃料タンクにたまった水をガソリンと混ぜてくれるものです。水が混ざった燃料が燃えることで、タンク内をクリーンに保ちます。
樹脂製の燃料タンクであれば、タンク内の錆は発生しません。
僕はガソリンを満タンにしたら、いつも燃費を計測しています。
燃費を計測する癖をつけると、オドメーターの走行距離で燃料の残量がある程度把握できます。
例えば僕の車だと満タンで250km弱走るとメーターのランプが点灯するかしないかどうかです。もし燃料メーターが故障していたとしても、あと何キロ走れるかという判断がつくのでお勧めです。
燃料は常に満タンにする、もしくは水抜き剤を入れる。そして燃費を計測する癖をつける。これをやっておけば、もし燃料系統のトラブルが発生したとしても冷静に対処することが可能です。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。