ちょっと前に作成したYouTube動画が、未だにじわりじわりと再生されています。改めてエンジンフラッシングについて考えてみます。
エンジンのフラッシングについて、みなさん興味があるんだなとびっくりしています。
まず、エンジンのフラッシングとは何か?
エンジンのフラッシングというのは、エンジン内部をクリーンにすることです。燃焼室などのカーボンクリーンとは違い、オイルが回っている機械的な部分をクリーンにすることを目的としています。
具体的にいうと、エンジンオイルの交換をさぼっているとエンジンにスラッジが堆積していきます。このスラッジが堆積すると、エンジン内部の摺動性が悪くなったり、いろんな弊害が出てくる。これをクリーンにしようというのがフラッシングです。
フラッシングにも種類があり、純粋なフラッシングを目的としたオイル。それと、エンジンオイルに混ぜて使うもの。純粋なフラッシングオイルは、エンジンオイルの中で洗浄性をメインとして作られたオイルです。その他の性能より洗浄性を際立たせるオイル。
これをそのまま入れて負荷を与えた走行をすると潤滑性が足りなくて、エンジンが焼き付く可能性もあります。しかし、エンジン内部の汚れを落とす性能が高い。
エンジンオイルに混ぜて使うタイプのものは、排出する前のオイルに混ぜることにより、通常のオイルよりも汚れを落とせるものになります。
自動車メーカーが設定しているオイル交換の時期をちゃんと守っていれば、フラッシングが必要になることはありません。今、オイルもロングライフ化されているので、昔に比べるとずいぶん長く使えるようになりました。
それでも、オイルやエンジンの機械精度が上がってきたため、エンジンオイルのロングライフ化が可能になった。
しかし、オイル交換をしないでいるとスラッジがたまるのは避けられません。普通にオイル交換をしてればスラッジはたまりません。
では、フラッシングが必要になるのはどういう時か?
まずリビルトのターボメーカーからフラッシングを推奨されてるケース。オイル交換を怠ってターボが焼き付いてしまった場合。
リビルトターボをオーダーすると中にフラッシング剤が入ってるメーカーがあります。何故か?ターボが壊れた原因がオイル交換の起因するものであれば、リビルトターボに交換したところでまた焼き付く可能性がある。
これを防ぐために、リビルトターボに交換する前にフラッシングを入念にすることを指示されています。納得。
続いて考えられるのが、油圧で制御するエンジン。油圧のバルブタイミング機構を持ってるエンジンです。こちらも前にあったケースです。
オイル管理を怠っていたため、ソレノイドバルブが固着して動かなかった。バルブタイミングが固定されてノッキングを連発。こちらもソレノイドバルブを交換するといった単純な作業では治らず、徹底的にフラッシングをしました。
このように、フラッシングをしないとそもそもがダメな場合があります。
当然ですが、ちゃんとオイル交換をしているエンジンにフラッシングをしたところでほとんど効果はありません。
オイル交換をかなりのスパンでさぼってない限りは、スラッジが発生するまで至りません。フラッシングオイルというのは洗浄性に重きを置いたオイルなので、フラッシングが必要なエンジンに使用すると逆に負担になるとも言えます。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。