エンジンオイルを普通に交換していれば問題ないのですが、たまにオイル交換を怠っていたりして真っ黒なエンジンを見かけます。
それでも、エンジンをオーバーホールしないで、中を奇麗にしないといけない時が出てきます。そんな時に有効なのがフラッシングオイルというもの。
エンジンオイルの清浄性能を強くしたもので、中の汚れを落としてくれる。即効性と遅効性があるのですが、現場で早く結果を出す必要がある場合、即効性フラッシング剤を使うこともあります。
どんな時にエンジンのフラッシングを実施するのか？
目次
ターボが壊れたエンジンに対するフラッシング
分かりやすいケースが、ターボが壊れた場合。
ターボが壊れた原因がオイル管理の不備だった時です。
ターボにオイルを供給している油路って、ものすごく狭いです。
手に持っているユニオンボルトを見ればわかると思いますが、小さな穴が開いています。
ここはオイルの通り道です。こんな小さな穴を通ってターボの軸などを潤滑しています。ターボエンジンのオイル交換時期がNAエンジンの半分に設定されているのは、エンジンにスラッジをためてはいけないから。
オイル交換をしないで、スラッジが堆積すると油路が詰まって、ターボにオイルが供給されなくなり焼き付いてしまう。
壊れたターボを新品に交換するといっても、エンジン内部がスラッジだらけのままだと新品ターボがまた壊れます。
ターボの交換をするときは、まず最初にフラッシングをするのがベスト。フラッシングを終えたらリビルトターボに交換する。
油路をあらかじめ奇麗にしておいてから新品を組み付ける。
実際リビルトターボをオーダーすると、フラッシング剤が同梱されているメーカーもあります。
エンジンの異音がオイル管理不備の場合
こちらも強烈な車でした。27500kmにわたってオイル交換がされていなかった。
エンジンはガラガラ音を出していたし、アイドリングも不調そのもの。
長年のスラッジが至る所に堆積して、油路以外の空気通路もふさがりかけていました。
これだけ強烈にヘドロ状のスラッジが堆積していたので、本来ならヘッドカバーを開けて洗浄するのが一番ですが、時間がなかったということでフラッシングを実施。
最初に普通のエンジンオイルを使ってのフラッシング。その後にフラッシング剤を使ってのフラッシング。2回行いました。
さすがに専用のフラッシング剤はよくできていて、汚れがバッチリと落ちてくれたのか、エンジンの不調もよくなりガラガラ音も収まりました。
排出されたオイルはもうすごい。若干メタルの鉄粉が混じっているのか、キラキラしていました。
それでもフラッシングをした結果、エンジンの調子が戻りました。
普通にメーカー指定距離でオイル交換をしていれば、今のエンジンオイルならそうそうスラッジは堆積しません。
それでもオイル交換をするということを忘れてしまうオーナーは、まだ一定数いるんですよね。
フラッシング剤は遅効性の方が安心でお勧め
フラッシングオイルには即効性と遅効性があります。
即効性は洗油のようなものが多く、清浄性を高めた溶剤が多いです。
即効性フラッシングを実施すると、急激に汚れが落ちる為、逆に変な場所の油路を塞いでしまう事もあるんです。
なので、即効性フラッシング剤を使う時は、ある程度リカバリーができる環境下で行うのがベストです。めちゃくちゃヘドロ状のスラッジが溜まっているエンジンにはちょっと危険です。
遅効性のフラッシング剤は、オイル交換からオイル交換の間をかけてゆっくりと汚れを溶かしていきます。
こちらの方が安心です。急激に汚れを落とすことはないので、油路が詰まらないからです。
プライベートでエンジンフラッシングを実施したいという場合は、遅効性タイプを使うようにしてください。
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ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。