中古で買ったアトレーワゴン。走行距離は11万キロオーバーで、買ったときからエンジンの異音が発生していました。
原因は前オーナーのオイル管理がよくなかったこと。買ったとき、アトレーにオイルはほとんど入っていませんでした。
とりあえずすぐにエンジンオイルとオイルフィルターを交換して、オイル添加剤を入れて様子を見てきました。
オイル交換をしてから走行距離が2500kmを超えました。ダイハツの軽自動車ターボはシビアコンディションだと2500kmでオイル交換を指定しています。
僕の使い方は短距離のストップアンドゴーが多いのでシビアコンディションに該当します。
今回普通にオイル交換をするのも面白くないので、フラッシングを試してみることにしました。
フラッシングオイル、フラッシング剤というものを聞いたことありますか?それともオイル交換をスタンドやショップでオーダーする時、
「フラッシングはいかがなさいますか?」
などと勧められたことはありますか?フラッシングとは一体なんのことをさすのか?
フラッシングというのは、オイル交換の際に新油を入れる前にエンジン内部を洗浄することをいいます。このフラッシングに使われるのが、フラッシングオイルやフラッシング剤です。
フラッシングオイルとフラッシング剤ってどういうものなのかというと、エンジンオイルの性能の中で洗浄剤の部分を際立たせたオイルです。
フラッシングオイルは、オイル交換の時に古いオイルを排出したあとにオイルの規定量入れます。フラッシング剤は、古いオイルを抜く前にエンジンに注入して、古いオイルを使って汚れを落とすもの。
どちらも目的はおなじです。フラッシングが終わったあとに新しいオイルを入れます。
フラッシングが必要な時ってどんな時か?
通常、メーカーで決められたスパンでオイル交換をきちんとしていれば、フラッシングが必要になることはありません。
では何故フラッシングが必要な場合が出てくるのか?
オイル交換をサボっていると、オイルラインにスラッジが堆積してきます。オイルが徐々にどす黒くなり固体化してくるイメージです。
最終的にはオイルが炭のようになり、エンジンの中に堆積してしまう。こうなる前にメーカーで決められた距離や時間でオイル交換をしないといけない。
スラッジが堆積してくるとマズイ場合があります。まずターボ車。
ターボ車のオイルラインってすごく細いんです。ターボもオイルで冷却・潤滑しているのですが、その油路が細いので直ぐに詰まる。ターボ車でオイル交換をサボっていると、すぐにターボが壊れます。
そしてNAエンジンであっても油圧を使って可変バルブタイミング機構を持っているエンジン。ソレノイドバルブなどの油路がやはり詰まってくると、油圧がうまく伝わらなくなり不調になります。
こういうエンジンの場合、スラッジが堆積してしまったらフラッシングをすることが効果的。フラッシングは固まったスラッジを溶かしてオイルと一緒に排出します。
事実、ターボが壊れてしまい、リビルトターボに交換しようとオーダーすると、新品のリビルトターボと一緒にフラッシング剤が一緒に入ってるメーカーもあります。
新品のターボに付け替える前に、まずはフラッシングで油路を掃除してくださいということですね。
中古車で買ったエンジンも、どのようなスパンでオイル交換がなされていたかわかりません。フラッシングを買ったときにするというのは有効だと思います。
ということで、中古で買ったアトレーターボ。買ってから二回目のオイル交換になりますが、フラッシングを今回はやってみます。
前回オイルを交換してから2500kmしか使ってないはずのオイル、こんなに黒いです。やはりエンジン内部が真っ黒な証拠です。
今回使うフラッシング剤はこちら。
TAKUMIのSECというフラッシング剤。
スマートエンジンクリーンというものです。
使い方は、まずエンジンを5分程度暖機します。そのあとにこのフラッシング剤をエンジンへ入れて10分程度アイドリングしてからオイルを抜く。これだけ。
ただ、オイルフィルターも同時交換しないといけません。
匂いがちょっと灯油みたいな匂いがします。そして粘度はシャバシャバしているのがわかります。やはり洗浄に特化した添加剤です。
このまま走行したら油膜が切れちゃうかもしれないね。アイドリングでしばらく放置します。
フラッシング剤をいれて、アイドリング後に排出したオイルの色です。
これはオイルフィルターを外して、そこから出たオイル。なんとまあ真っ黒です。2500kmしか使っていないオイルとは到底思えない真っ黒っぷり。
フラッシング剤がちゃんと効いているのがよくわかります。流石に2500kmくらいしか使ってないオイルって、濃い茶色くらいです。
でも、真っ黒です。
オイルチェンジャーで吸い取ったオイル。真っ黒です。
とにかく真っ黒。最初からフラッシングをしておくべきだった。これで次回2500km走行したあとに、普通にオイル交換をしたオイルの状態が楽しみです。
流石にここまで真っ黒にはならないと思います。
ただフラッシング剤を使ったとしても、エンジン内部のオイル焼けしているものまでは落ちません。
内部のスラッジが溶けて排出されているだけですからね。
相当頑固なエンジンの場合、オイル交換と同時に何度もフラッシングをしていけば徐々に出てはあるけれど、スラッジはなくなっていくのではないでしょうか。
一番はフラッシングが必要になるほどオイル交換をサボらないことが一番ですけどね。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。