Categories: ホンダ駆動系

フィットHVのi-DCDについて

ホンダのフィットに搭載されi-DCDは今までのIMAに比べてかなり性能が上がったハイブリッドシステムになりました。

従来のIMAの構成はエンジン→モーター→ミッションというつながりでした。

i-DCDではエンジン→ミッション→モーターとなっています。

このような配列に変えてきた一番の理由はEV走行をするためです。IMAと呼ばれる昔のホンダのハイブリッドシステムだとモーターとエンジンを切り離すことができなかった。なので、モーターを回してミッションを介してタイヤを回そうとすると一緒にエンジンも回しちゃう訳です。こうなるとエンジンは抵抗以外の何者でもない。IMAはマイルドハイブリッドと呼ばれ、モーターはエンジンをアシストするためだけのものでした。

i-DCDになってからはエンジンの次にミッションをつなげて、モーターはミッションの端にとりつけられるようになりました。モーターを回すとミッションがまわり、エンジンとミッションはクラッチで切り離すことによりEV走行を可能とした。ようやくトヨタのプリウスのようになったというわけです。

ちなみにi-DCDに搭載されるミッションはDCTと呼ばれるダブルクラッチタイプのミッションになります。このダブルクラッチタイプのミッションは文字通りクラッチを2つ持っていて、奇数段のギヤと偶数段のギヤにそれぞれクラッチがもうけられています。この奇数段のシャフトにEVのモーターがつなげられています。なので、フィットi-DCDでEV走行しているときは、1、3、5速のシャフトを使っているということです。

プリウスよりも優れている点はバックにあります。プリウスはバックギヤを持っていないということをご存知でしょうか?プリウスでバックさせるときは、モーターを逆回転させてのモーター走行のみなんです。エンジンの動力をバックに使うことはできないので、急な坂をバックで上ろうとすることがプリウスには苦手なんです。ですが、フィットのi-DCDはバックギヤをきちんと備えているので、エンジン走行でバックをすることができるようになっています。

車検の検査時には整備モードにプリウスと同様に入れることになりますが、そのやり方はトヨタと同じように設定してきました。そうしたほうがわかりやすいですしね。ハイブリッドの高圧配線がオレンジで統一されたのもトヨタが先駆けですから。

ちなみにサービスプラグは1000円ほどの値段です。もしハイブリッド系統の整備をしようとしてサービスプラグを抜く必要がある場合注意しないといけないことがあります。それはIG OFFにしてから3分程度待つということ。この3分の間にECUは各学習値などをバックアップしているそうです。なので、IG OFFにして、3分程度放置した末に、補機バッテリーのマイナス端子を外してからサービスプラグを抜くという順序になるそうです。

これは覚えておいた方がいいですよね。

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