電気自動車を買うと、国からの補助金を受け取れる。CEVクリーンエネルギー自動車導入促進補助金というものですが、10月末に申請受付が終了する見通しになってきました。
例えば日産の新型電気自動車、SAKURAを買うと55万円国から補助金がもらえると。さらに東京などは独自に地方自治体として補助金を出しています。
60万円も東京は補助を出すので、東京都在住なら115万円も安くSAKURAを買えるということでした。
しかし、風向きが変わってきており、国の補助金が10月末で申請を終了するといわれています。
つまり、これからSAKURAを買う人は、国からの補助金を受け取れない可能性が高いという事です。
それだけ電気自動車に対する考え方が変わってきており、SAKURAが好調な販売をしているということでもあります。
SAKURAですが、国からの補助金が出なくなったら売れるか?多分一気に人気がなくなると思います。理由は何故か?
目次
SAKURAの電池はリン酸鉄リチウムイオンを使ってない
SAKURAに搭載されているバッテリーはリチウムイオンタイプです。
初代リーフの頃に比べると飛躍的に性能は上がっています。メーカー保証も8年16万キロとしています。
今一番日本で新しい電気自動車というと、SAKURAとeKクロスEV、アリアにソルテラとbZ4Xです。
これらの車、全てバッテリーはリチウムイオンを搭載しています。
では、電気自動車として進んでいるテスラはどうか?
リン酸鉄リチウムイオン電池を積んできているんです。さらに黒船と言われている中国のBYD。こちらもリン酸鉄リチウムイオンです。
リチウムイオンとリン酸鉄リチウムイオンの最大の違いは安全性と長寿命です。
リン酸鉄リチウムイオンは燃えないし、長寿命なんです。電気自動車で一番心配なのって、バッテリーの劣化ですよね?リン酸鉄リチウムイオン電池なら、故障をのぞき性能劣化がリチウムイオンよりも断然少ない。
つまり長きにわたって使えれるのです。
事実、三菱が出していたミニキャブミーブという車。バッテリーは2種類あります。
16kWhと10.5kWh。なんと容量の少ない10.5kWhの方が、中古車市場が高いんです。
何故なら16kWhはリチウムイオン。10.5kWhは東芝のリン酸鉄にちかいSCiB電池を積んでいるから。劣化が非常に少ないのです。
今一番日本で新しい電気自動車群が、未だにリチウムイオンを搭載してきている。この中に1つでもリン酸鉄リチウムイオンが積まれてればまだいいんですけど。
全個体電池が実用化されるまで、このままだと世界にどんどんとおいていかれてしまいます。
Zの納期が4年?車の買い方がおかしくなってきた
さらに、日産の新型Zの販売がヤバいです。受注がパンクしてしまい、早期に予約された人も抽選販売になってしまった。
これは物凄くおかしな話ですよね。
トヨタも然りです。8月に新型のシエンタがデビューしますけど、まだ詳細はメーカーから出ていません。すでに完成車はスパイショットされています。
シエンタも発表と同時に相当の注文が入るので、納期は1年以上なんていうのはザラになると思います。
今、ディーラーで先行予約をしており、正式発表前にオーダーをだせれば半年くらいで届くのではないかと言われています。
形はわかってもオプションカタログも閲覧できない状態で、新車をオーダーするっていうのがまた意味不明ですよね。だったら正式発表するまでオーダーは一切受け付けない方が平等だと思います。
いずれにせよ、ここの所車の買い方が相当おかしくなってきています。
電気自動車をたくさん普及したいのなら補助金を変えたほうがいい
ここからは僕の持論になります。
環境やら何やらで、車を電気自動車へとシフトしたいというのが、国の根底にはあると思います。
だとしたら、補助金のあり方を変えるべきではないかなと。
登録されて納車になったユーザーから申請を上げてもらえる補助金だと、補助金が尽きたときにもらえない人が出てきます。
極端な話、ひとつ前にオーダーした人は55万もらえて、次に注文した人はもらえない。
これでは心配で電気自動車をオーダーできません。
そうではなくて、製造元に車を作った時点で補助金を渡す。すると、完成車は全て補助金をもらえるわけなので、買うユーザーは全員安く買える。
国の補助金が底を尽きたのなら、電気自動車の生産を一旦止めればいい。国がそれでも電気自動車を推進したいのなら、もっと予算を組むべきだし、訳の分からない重量税やらガソリンの二重課税なんかもメスを入れるべき。
それらを電気自動車の補助金に当てればいいので。
全個体電池の開発は日本が若干リードしているイメージがありますが、テスラやBYD、ヒョンデは電気自動車づくりですでに日本を追い抜いています。
そういう事実を自動車メーカーは認識しないと周回遅れの電気自動車を作っても国外では競争させる車にはならないですから。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。