今、現場ではほとんどお目にかからなくなりました。エンジンオーバーホール。
エンジンオーバーホールというのは、一度全ての部品を分解して清掃・計測したのちに再組み立てをする作業です。
よく聞くオーバーホールとしてはクラッチのオーバーホール、ブレーキオーバーホールという使われ方もします。エンジンオーバーホールは、その名の通りエンジンを全部バラバラに分解して組み上げていく作業です。
そもそもエンジンオーバーホールが必要になる場合はどんな時か?まず今の現場ではほとんどオーバーホールまでは作業しません。オーバーホールをするのであれば、リビルトエンジンに載せ替えてしまいます。その方が費用が結果的に抑えられるし、時間もかかりません。
それでもオーバーホールをする場合として、リビルトエンジンの設定がない場合や旧車、チューニングカーの場合が多いです。
目次
エンジンオーバーホールの時期は?
エンジンをオーバーホールする時期はいつか?これは、エンジンの圧縮圧力が規定値以下になってしまった場合がまずあげられます。
エンジンは各シリンダーごとにきちんとした圧縮圧力がないといけません。著しく圧縮が落ちてしまったエンジンはかけることすらできなくなります。
タイミングベルトが切れてエンジンが壊れるというのは、バルブがピストンとぶつかって曲がってしまい、圧縮が抜けてしまうからです。こうなるとバルブを交換するセミOHが最低でも必要になります。
シリンダーヘッドのOHでエンジンの圧縮がもどればさほどでもないですが、ピストン側にも問題がある場合完全にオーバーホールしないといけません。
エンジンオーバーホールの時期は圧縮が規定値以下になってしまったらということになります。
エンジンオーバーホールの費用は?
エンジンのオーバーホールにはどのくらい費用がかかるか?
これはケースバイケースになってきます。昔僕が乗っていた車のエンジンオーバーホールの整備指数は17時間となっていました。工賃だけで実に10万円を超えます。
ここに、分解・測定して使えないと判断された部品は交換しないといけません。代表的なところではラッシュアジャスターがダメになってれば1つあたり5000円。これがバルブの数だけあります。
さらにエンジンをバラして、シリンダーの磨耗が限度値を超えていたらシリンダーブロックも使えないということになります。
エンジンオーバーホールは実際に全部を分解して測定してみて初めてどの程度部品が必要になるかがわかります。
オーバーホールする前まで正常に動いていたエンジンであれば、交換する部品は少なくなるでしょう。当然高性能エンジンの方が費用がかさみます。
エンジンオーバーホールを算出してみると、20万円〜100万円くらいになると思います。
オーバーホールをするのであれば、リビルトに載せ替えてしまうほうが金額的にも時間的にもメリットが大きいので、最近はオーバーホールをしなくなってきたということです。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。