以前オイル漏れの修理依頼をもらったんですが、予想に反してなかなか深いところからオイルが漏れてきていました。それはオイルポンプの部分。いわゆるフロントカバーと呼ばれる場所です。
フロントカバーを剥がすには、タイミングベルトの車ならタイミングベルトを外して、オイルパンを外す。そしてようやくフロントカバーを剥がす事ができます。
エンジンの潤滑にはオイルをつかっているわけで、オイル漏れをする箇所ってたくさんありますね。
それでは書き出せるだけ書いてみたいと思います。
エンジンのオイル漏れを起こす場所
1、ヘッドカバーのパッキン
これは割と軽度なオイル漏れですが、エンジンのレイアウトによってはインテークマニホールドなどを外したりしないと交換が出来ない場合もあります。
2、オイルプレッシャースイッチ
エンジンの油圧を検知しているスイッチです。ここが漏れると油圧がかかる部分なので一気にオイル漏れを起こす事もあります。
3、ヘッドガスケット
ヘッドガスケットからのオイル漏れ修理は車を乗り換えるかどうかというくらいの出費になってきます。
4、カムシャフト・クランクシャフトなどのオイルシール
ここはタイミングベルトの交換と一緒に交換してもらうのがベスト。ちなみにタイミングチェーンのエンジンはカムシャフトのオイルシールはありません。オイルポンプなど各種のシャフトにもオイルシールは使われています。
5、プラグホールのパッキン
大体ヘッドカバーとセットです。ここが漏れるとエンジンが失火して調子を崩すので必ず修理しないとまともに車が乗れなくなります。
6、ディストリビューターやカムのプラグのOリング
ちょっと以前の車に使われているディスビ。今はカム角センサーなどがここに付いている場合もあります、いずれにしろOリングです。部品も修理代も安いです。
7、クランクシャフトリヤオイルシール
ここにたどり着くにはミッションを降ろさないといけません。マニュアル車ならクラッチのOHと一緒に交換するのがベストです。
8、フロントカバー
あまり修理する機会がないほどそんなに漏れてこない。ここは液体パッキンや紙のガスケットなどを使っています。工賃はかなりかかりますよ。
9、オイルパン
オイルパンの液体ガスケットから漏れてきます。オイルパンを簡単に外せる車ならそんなでもないですが、中にはオイルパンをはずすのが凄く大変な車もあります。
10、オイルエレメントのブロック取り付け部分
紙のガスケットやOリングです。ここも長く使ってくると漏れてきます。修理は車によってまちまちの難易度になります。
11、タイミングチェーンカバー(タイミングベルトのエンジンはフロントカバーに相当)
最近多いのがタイミングチェーンカバーのオイル漏れ。ここは液体パッキンをつかっているのがほとんどです。オイル管理だけは適切にしておきましょう。オイル管理を怠ると漏れやすい傾向です。
12、ドレンボルトのパッキン・オイルフィルター
オイル交換の時にドレンパッキンを交換していなかったりすると漏れます。あとオイルフィルターは錆びて穴があく事があるんです。そうなったら油圧が一気にかかってものすごい量のオイル漏れを起こします。こまめに交換しましょう。
と、思いつく限りエンジンオイル漏れを起こす箇所を書いてみました。いずれにしろオイル交換をこまめにしないと漏れやすくなる傾向にありますのでオイル管理はしっかりしましょうね。
添加剤を入れるだけでもオイル漏れはかなり改善されます。修理する費用が捻出できない場合はこういった添加剤を試してみるのもいいかもしれません。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。