車検整備が終わった後、
完成検査前に後輩が
「エンジンから変な音が聞こえてくるんですけど」
と言って来た。
受け入れ時にはエンジン不調はなかったし、お客さんからもそういった話はなかった。
整備中のミスである。
車両はカローラフィールダー
ビッツなどと同じエンジンを積んでいるモデルでした。
車検内容は
エアクリーナー清掃
エンジンオイル交換
オイルフィルター交換
オルタネーター・エアコンベルト交換
パワステベルト交換
プラグ交換
リヤブレーキシュー4枚交換
ブレーキオイル交換
ワイパーゴムを3本交換
と、さほど重整備ではない。
エンジンの調子はというと、
いわゆるハンチングを起こしていました。
後輩にはハンチングという現象には捉えられなかったらしく、何かの補記類が異音を上げていると
思っていたとのこと。
電子制御全盛のエンジンでは、昔のエンジンのようにいわゆるハンチングという分かりやすい現象ではなく
確かに異音に聞こえるかもしれないなぁと思いました。
原因はこの時点で分かりました。一体何をしたらこうなっちゃったのか。
大体こういう場合って、作業をさかのぼると原因に当たります。
後輩はサウンドスコープなどを取り出して一生懸命異音とやらを探している・・・
一言アドバイスをしました
「プラグを落とさなかったか?」
後輩は落としていませんと、自信満々。
ならエンジンを止めて外してみようと。
そしたら案の定
※プラグはイメージ画像として、作成してあります。実際はプラグ交換後なので新品でした。
エンジンのカバー10mmのナット4つ外したら
ダイレクトイグニッションが綺麗に4つならんでいるエンジン。
それぞれイグニッションコイルの10mmを外して、カプラーを外せばプラグと対面。
取り外すときは磁石に上手くくっついてくるから良い。
だけど、装着する際、プラグホールから燃焼室に向けてプラグを落としていないかと?
その時に電極のギャップがなくなってしまったからスパークしなかった。
つまり片肺の状態であって、それをカバーしようとECUさんが、エンジン回転数をあげようとする。
でも一気筒死んでいるので止まりそう。でもECUはエンジン回転を上げようとする
結果ハンチング
プラグを装着するときは、プラグレンチの磁石の力が弱くて、取れてしまうときがある。
これが嫌なので、僕はマグネットツールで、プラグをプラグホールのそこに置いた状態で
マグネットを解除。ギャップを適正のままで作業を心がけています。
車検前は何ともなかった。
となるとやはり作業過程になにかミスが含まれているんだよと。
そんなお話でした。
きちんとシックネスゲージでギャップを調整した後、再装着させるとなおりました。
新品プラグをそのままつければよい。そんな考えを持っていてはエンジンのことなど分からないままなのであります。
ギャップ調整、電極の向きを揃えてはめるなど、プラグに至ってはいろいろな情報が
世の中に広まっているのになぁと、思いました。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。