今日もちょっと困った車が入庫してしまいました。
修理依頼は
「エンジン異音」
ダイハツのブーンですが、明らかにエンジンがガラガラといった音がしています。
いやーな予感がして、オイルレベルゲージを抜いてみたら、オイルがまったく入っていない
1KRというエンジンです
流れ出るオイルに全く勢いがない。どのくらいのオイルが抜けてくるか廃油を受けています
結果はコレだけ。おそらく1リットル入っていないかくらいの量です。
ちょっとメタルの切り粉のような金色が入り混じっている。
まずは通常のエンジンオイルを入れてフラッシングを試みました。
いきなりフラッシングオイルを使うのは危険だと判断したからです。オーナーからは直ればそれにこしたことはない。
車検までは使いたいという話。車検は半年後です。
34000kmでオイル交換をして、現在61500km
実に27500kmもオイルを換えていない。期間にして1年半
1KRのオイル量はフィルターの分を含めると3,1リットル。3,1リットルでそれだけの期間をまかなうのはちょっと厳しい
エンジンを1時間くらいかけておいて、オイルを抜く。ガラガラという異音は小さくなってきた
これを入れてさらにエンジンをかけておく。
感覚では、エンジンのメタルの異音ではなく、油圧があがらなくてチェーンやVVT系統の異音がでているような感じ。
油路が綺麗になり、油圧が上がればある程度は改善しそう
フラッシングを入れて1時間半くらいさらにエンジンをかけておきました。通常は20分程度のアイドリングでいいそうです
これで、新油を入れますがこの時点でオイルフィルターを交換します
ひどい
ブローバイが上がって、スロットルボディが固着気味。カーボンやスラッジが接着剤のようにペタペタしていて
スロットルバルブの開閉に妨げを起こしているので、カーボンを除去しました
タールのようにペタペタ。ISCに問題を起こさないようにキャブクリーナーで掃除して
スロットルバルブのカーボンだけ除去
組み付けて試運転にいくと、多少白煙をはくものの気にならないレベル。
エンジンの異音は直っていました。
よかったね。もう少し入庫が遅れていたら間違いなく焼きついていましたね。
でもエンジンの状態は非常に悪いとオーナーに伝えておきました。次回のオイル交換は1000km時点で行うことを約束してもらい、
納車となりました。
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。