エンジン

エンジンが吹けなくなる原因6つとそれぞれの対処法・修理代をまとめてみた

アクセルを踏んでも加速しない・・・。エンジンに力がない。スムーズに回転が上がらない。エンジンが吹けない車に乗ったことってありますか?僕は整備士になりたての頃、エンジンが吹けない車に初めて乗った時

「怖い!」

と思いました。エンジンが正常に機能しないと、信号待ちや右折時などでタイミングよく発進しようと思っても、それができなくなります。交差点での右折時などで吹けなくなったら恐怖以外の何物でもありません。

ここでは、エンジンが吹けなくなる原因と対処法・修理費用などを6つまとめてみました。

エンジンが失火してふけない

エンジンが吹けない原因として、一番多いのが失火によるものです。これはガソリンエンジンに起こる故障です。

失火と言っても原因はさまざま。失火はどのような症状なのかというと、ガソリンエンジンで混合気にスパークプラグで点火します。この点火がうまくいかなくて、どこかのシリンダーが正常に機能しなくなることを失火すると表現します。

昔ながらの整備士だと片肺という表現をする人もいます。

4気筒エンジンで失火すると1気筒機能しなくなる。つまり3気筒の状態になってしまうということ。もちろん2つのシリンダーが失火することもあるので、その場合は2気筒状態になってしまいます。

失火の原因は点火系統にあります。順にあげていくと、プラグの不良。摩耗が進んでギャップが広がりすぎている。もしくはガイシ部分にクラックが入って、火花がリークしているなど。

プラグの交換で済めば5000円~5万円弱といったところ。V6エンジンなどだと工賃がかさみます。

ちょっと昔の車なら、プラグコードのリーク。プラグコードに傷が入ってそこから火花が漏れると失火します。

こちらは1万円~3万円位で修理可能な車が多いです。

そしてさらに上流に行くとディストリビューターキャップのリーク。ディストリビューターは各シリンダーへ配電する部品です。ここからプラグコードを介してプラグに火花を飛ばしていますが、キャップにクラックが入ってそこから火花が漏れることがあります。

6000円くらいから修理可能です。

ディスキャップの中です。電極の根元に筋が見えますが、ここから火花が漏れていました。

今の車ならダイレクトイグニッションコイルの不良で失火。

今の車で失火したとなると、プラグかダイレクトイグニッションコイルのどちらかが非常に多いです。コイルも1つ壊れたと言って、1つだけ新品にすると立て続けに2個3個と壊れるので一気に交換することをおすすめします。

軽自動車だと2万円ちょっとくらいです。もちろんシリンダー数が多くなるとその分費用がかさみます。

エアフロが壊れると吹けなくなる

最近は減ってきましたが、エアフロが壊れるとエンジンが吹けなくなります。

エアフロというのは、吸入空気量を測定している部品です。これが壊れるとアクセルを踏んでもスムーズにふけあがらなくなります。

トヨタのエアフロなどはエアクリーナーボックスにネジ止めされているので、交換が簡単です。トヨタのホットワイヤーエアフロなら1万~2万くらいです。

それより以前の他のメーカーのものは部品だけで5万円するものもザラです。

燃料タンクの錆が原因で吹けなくなる

燃料タンクが錆びてしまうと、正常に燃料を送り出せなくなり空燃比が薄くなります。いわゆるリーンという状態になる。

この場合もエンジンが吹けなくなります。さらにバックファイヤをパンパンと起こすこともあります。

燃料タンクが錆て詰まってしまうと、規定量の燃料を供給できなくなります。燃料詰まりでエンジンの出力に追い付かなくなり、吹けなくなる。

この場合燃料タンクを降ろして徹底的に清掃するか、それかタンク自体を交換しないと治りません。

タンクの中が錆びてるとポンプもだめになってるケースが多いので、修理代は10万円をこえることもあります。

燃料添加剤である程度は改善ができるかもしれません。

ただし、連続投入を何度かしないとすぐには調子は戻らないです。

エアクリーナーが詰まるとエンジンが吹けなくなる

燃料がつまるとエンジンが吹けなくなるのに対し、空気が詰まるとエンジンがやはり吹けなくなります。

エアクリーナーが著しく目詰まりを起こすと吹けなくなるということです。昔、ディーゼルエンジンのエアクリーナーを反対にはめてみたことがあります。

すると正常に空気が吸い込めなくなり、エンジンが吹けなくなりました。

空気もきちんと吸い込めないと吹けなくなるというおことです。こちらは3000円くらいから1万円くらいで交換が可能です。

キャブのチョーク系統が壊れると吹けなくなる

電子制御の今の車ではないですが、キャブを使ってる車。こちらはチョーク系統が故障すると吹けなくなることがあります。

チョークというのは、冬場の始動性をよくするために、混合気を濃くする機構です。キャブレター複雑なリンケージで動いています。チョーク系統もさることながら、スロットルが軽く動かなかったりしても不調の原因になります。

キャブ車は毎日使うことで調子が良くなるのです。

修理代は調整で済めば1万円くらいから。キャブを交換しないといけない自体になれば5万円をこえることもあります。

ターボが壊れてもエンジンがふけなくなる

これも体験済みです。ターボ車でターボが壊れるとエンジンが吹けなくなるものがあります。理由は何故か?ターボが効いてくるとタービンのコンプレッサーが回ります。このコンプレッサーにガタツキなどがあって、壁面に接触しているとそこで抵抗になってしまい吹けなくなるのです。

この場合、じわりじわりとアクセルを踏み込んでいくと、エンジン回転数はちゃんと上がります。ぐわっとターボをきかせようと急にアクセルを開けると、過給が立ち上がりますがタービンブレードが壁面に接触して吹けなくなる。

この時ギャーといった異音がするのが特徴です。

ここまでになってしまうとターボを交換しないと治りません。

6万位からツインターボとかになると20万近い費用が必要になる事も想像できます。

エンジンが吹けなくなると

エンジンが吹けなくなるとはっきり言って交通の流れに沿って運転することは難しくなります。

田んぼ道を一人っきりで走るのならまだしも、前後左右に車がいるような状況で、交通の流れに沿って走ることは無理です。

それぞれ原因も修理代も違ってきますが、症状が少しでも発生したらすぐに修理してもらったほうがいいと思います。

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