エンジントラブルってあまり経験したことってありませんよね?
ボクも整備士になって、お客さんの車を修理するようになってからさまざまな故障を体験することが出来ました。
特にエンジンが吹けないという相談をうけることは多いです。ここでは代表的なエンジンが吹けないトラブル5つの原因とその対策・修理費用をお伝えします。
こちらは疑似的にエンジンが吹けない状況を作り出した実験です。
エンジンが吹けない原因のナンバー1にあげられるのが
「失火してエンジンが吹けない」
という症状です。これはどういうことかというと、軽自動車は主に3気筒エンジン。小型車や普通車は4気筒エンジン・6気筒エンジン。
車によってエンジンのシリンダーとピストンの数が違います。この気筒の中で、どれか一つがうまく働いていない状態。
軽自動車でいうと、3気筒エンジンなのに2気筒しか正常に動いていない。こういう症状。主な原因はダイレクトイグニッションのコイルが壊れる!
今の車のほとんどはダイレクトイグニッションシステムです。各シリンダーに1つずつ点火火花を作り出すイグニッションコイルが付いています。これが壊れて、スパークプラグへうまく火花が飛ばなくなる。
どこのメーカーも10年・10万キロもしくはそれより早くにイグニッションコイルがダメになる。
こうなるとイグニッションコイルを交換しないといけない。ただ、3気筒全て同じように使われてきたイグニッションコイルです。1つダメになればもう1つダメになる。といった連鎖を起こしかねないので、一気に全部交換するのが正解!
失火してエンジンが吹けない場合の修理代金はイグニッションコイル・スパークプラグの交換で、35000円〜10万円ほどかかります。
本当にダメになったコイルのみを交換する場合は15000円くらいから。ただ、長持ちはしないのでその場しのぎになります。
ダイレクトイグニッション以前の点火システムの場合、プラグコードのリークなどがあげられます。プラグコードの交換は1万円〜2万円程度です。
エンジンには吸入空気量を測定しているエアフロセンサがあります。エアフロメータとも呼ばれてる部品。通称エアフロ。
これがダメになるとエンジンが突然吹けなくなります。
エアフロがダメになるとイグニッションコイルが壊れたのと似たような症状になります。見極め方はテスターを繋いでパワーバランステストをする。
1つずつコイルを点検して問題なければエアフロが怪しくなります。ちなみにエアフロが付いてない車はバキュームセンサという部品で吸入空気量を測定しています。
エアフロが壊れてエンジンが吹けない修理代は、2万円〜5万円ほどになります。
これは長い間放置してあった車に多い症状です。
燃料ラインが詰まってしまってエンジンが吹けない。燃料タンクの中に錆がたまって規定量の燃料を吸い出せない。
直すにはひどい場合燃料タンク自体を交換するといった作業も必要になることも。
ただガソリンが腐ってるといったことでしたら、ガソリンを入れ替えたり燃料添加剤を入れることである程度は改善されます。
錆びた燃料系統のメンテナンスはとりあえず添加剤を使うのも一つの手。
修理代は燃料タンクまで交換することになると5万を超えることもあります。
燃料が詰まってエンジンが吹けない修理代は1万円〜10万円程度になってきます。燃料ポンプもダメになってれば10万近くかかることもあります。
これは通常ではなかなかありえない症例ですが、エンジンの吸気のフィルターであるエアクリーナー。
このエアクリーナーが極度に詰まったりするとエンジンは吹けなくなります。
よほど詰まったエアクリーナーなら話はいざ知れず、車検時には必ず清掃するはずなのでそこまで重篤になることは稀。
しかしたまに吸気口にゴミが引っかかってそれがエアクリーナー付近を覆ってしまうと吹けなくなります。
エアクリーナーが詰まってエンジンが吹けない修理代は3000円〜1万円程度になってきます。
古い車になると、キャブレターという燃料装置をつかってることがあります。このキャブレターが不調を起こすとエンジンが吹けなくなります。
キャブレターは霧吹きのような機械で、燃料をエンジンへ霧状にして送り込んでいます。寒い日にはオートチョークが働いて通常よりも濃い状態で燃料をエンジンへとどける制御をします。
このオートチョークがダメになるとエンジンが吹けなくなる。電子制御のインジェクターでもファーストアイドル系統が壊れると、エンジンが寒いときに吹けなくなったりします。
これらの修理費用は1万円〜5万円程度かかります。キャブを清掃・調整すれば治ることもあるし、本体をリビルト品と交換しないとダメかもしれません。
電子制御なら水温センサが壊れてる可能性もあります。いずれもそのくらいの費用がかかってきます。
ぼくが今までに自分で乗ってきた車で起きた故障というものは
オルタネーターベルトの切れ
車速センサーが壊れた
プラグがかぶった
とこの3つくらいでした。オルタネーターベルトが切れたのはFC3Sでチャージランプが点灯したので急いで家に帰って事なきを得たのを覚えています。
プラグがかぶったのはFD3Sで、某アルコール燃料を使っていた当時が原因かな?
アクセル全開でクランキングしてかかったので事なきを得た。いつもどおりのクランキングでエンジンがかからないとあせりますよね。
車速センサーが壊れたのは、カプチーノです。
いきなりパワステが効かなくなり、エンジンチェックランプが点灯スピードメーターも動かなくなっていたので、あぁ車速センサーがこわれたなと。
もう一つあったのは、ステップワゴンで油圧警告灯が点灯したこと。
これは、オイルプレッシャースイッチが壊れかけているんでしょう。
オイル交換は半年に一度ないし、3000kmほどできちんと行っているためプレッシャースイッチが壊れているということ以外は考えられませんでした。今ではなぜか正常に動いているので無視。
と、これが自分が体験したトラブル。
お客さんに聞いたトラブルで、恐怖を感じたというトラブルを紹介するとやはり圧倒的に多いのが
エンジンが吹けない
というもの。
アクセルペダルを踏み込んでも、回転が上がってくれない。これはあせりますね。終いにはエンジンがストールしてしまいそうになる。このエンジンがふけないというトラブルについて。
ご参考までに
ガソリンスタンドでアルバイトをはじめ、その後指定整備工場へ就職。
働きながら、3級ガソリンエンジン、2級ガソリン自動車の整備資格を取得。2級整備士の資格を取得後整備主任に任命され、自動車検査員の資格を取得。
以後、自動車整備の現場で日々整備に励んでいます。
現役自動車整備士であり、自動車検査員。YouTuberもやっています。車の整備情報から新車、車にまつわるいろんな情報を365日毎日更新しています。TwitterやInstagram、YouTubeTikTokも更新しているのでフォローお願いします。